第二十章 霊媒師 瀬山 彰司

78/267
前へ
/2550ページ
次へ
やだ、僕ちょっと声が震えてる。 カッコ悪いけど仕方ないよ。 だってさ、チビクマじゃないけど、”シッコをチビるくらい” 怖かったんだから(チビってはないぞ、セーフだ)。 先代は僕の泣き言に目を丸くし、そして堪え切れなくなったのか、プッと吹き出したんだ(笑い事じゃありませんぞ!)。 『たまたまか……ふふふ、違うよ。たまたまじゃあない。私とショウちゃんでそうしたんだ。あすこにある霧の壁、あれは結界なの。あの向こう側には沢山の悪霊達がいる。言ったでしょう? (ココ)には生者にも死者にも害を成す、悪霊達がわんさかいるって。着いてすぐに二人で閉じ込め封印したんだ。結界があれば悪霊達はコチラ側に来る事は出来ない……が、さっきみたいに霊力(ちから)を飛ばすくらいは出来ちゃう。でもね、そんなコトをしたって無意味なの。結界は、悪しき霊力(ちから)を無に戻す。壁を通れば浄化され、コチラに届く頃には飛散する、』 あ……それで消えたんだ。 あの霧、先代と瀬山さんで構築した結界だったんだな、って……アレ、相当デカイよ。 横に延々広がって果てがまったく視えてこない。 悪霊達を閉じ込めて、しかも浄化作用付き。 マジか……マジ凄い……バカみたいな感想だけど、これもう他に言いようがないのよね。 この二人が特別霊力(ちから)を持っている、というのはもちろんだけど、それでも、”瀬山の霊媒師”とはこんなにもレベルが高いのか。 これじゃあ”日本で一番チカラを持っている霊媒師軍団”と呼ばれるのも頷ける。 そうねぇ……この先なにがあっても、絶っっっ対に瀬山を敵に回したくないって思うよ。 どこかで会ったら是非とも友好関係を結びたい。
/2550ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2366人が本棚に入れています
本棚に追加