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やだ、僕ちょっと声が震えてる。
カッコ悪いけど仕方ないよ。
だってさ、チビクマじゃないけど、”シッコをチビるくらい” 怖かったんだから(チビってはないぞ、セーフだ)。
先代は僕の泣き言に目を丸くし、そして堪え切れなくなったのか、プッと吹き出したんだ(笑い事じゃありませんぞ!)。
『たまたまか……ふふふ、違うよ。たまたまじゃあない。私とショウちゃんでそうしたんだ。あすこにある霧の壁、あれは結界なの。あの向こう側には沢山の悪霊達がいる。言ったでしょう? 山には生者にも死者にも害を成す、悪霊達がわんさかいるって。着いてすぐに二人で閉じ込め封印したんだ。結界があれば悪霊達はコチラ側に来る事は出来ない……が、さっきみたいに霊力を飛ばすくらいは出来ちゃう。でもね、そんなコトをしたって無意味なの。結界は、悪しき霊力を無に戻す。壁を通れば浄化され、コチラに届く頃には飛散する、』
あ……それで消えたんだ。
あの霧、先代と瀬山さんで構築した結界だったんだな、って……アレ、相当デカイよ。
横に延々広がって果てがまったく視えてこない。
悪霊達を閉じ込めて、しかも浄化作用付き。
マジか……マジ凄い……バカみたいな感想だけど、これもう他に言いようがないのよね。
この二人が特別霊力を持っている、というのはもちろんだけど、それでも、”瀬山の霊媒師”とはこんなにもレベルが高いのか。
これじゃあ”日本で一番チカラを持っている霊媒師軍団”と呼ばれるのも頷ける。
そうねぇ……この先なにがあっても、絶っっっ対に瀬山を敵に回したくないって思うよ。
どこかで会ったら是非とも友好関係を結びたい。
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