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なぁんて、男三人キャッキャウフフとしてる中、プリティ&ラブリープリンセスな猫又は、嬉々として霊矢をブロックし続けていた。
そのおかげでゆっくりキャッキャが出来るのだけど、大福マジですごいな。
てかコレ、僕いらなくない?
……と、
そんな和やかムードが途切れたのは、このあとすぐの事だった。
また聞こえたんだ。
低くてしわがれた、あの声が。
____お前たち、ふざけているのか?
威圧感だ。
口調は落ち着いているのに、強い苛立ちを感じる。
この声……どこから?
瀬山の霊媒師が発したとは考えにくい。
みんな霊矢を撃つのに必死だったし、なにより声が聞こえた途端、ビリビリとした緊張が走った。
揃いも揃って顔を伏せて硬直してる。
____たかが三尾の猫又に何を手間取っている、
たかが三尾って失礼な、そう思ったのも束の間。
『も、申し訳ございません!』
霊媒師達は急に大声を上げだした。
誰に謝っているんだ……?
キョロキョロ辺りを見渡すが、それらしき影はない。
どこかに隠れているのか?
声は……上の方から聞こえる。
____霊力の弱い者はいらない、
____このまま醜態を晒すなら喰らうだけ、
____お前たちの代わりなどいくらでもいるのだ、
____失望させるな、
どういう事だ?
えらく態度が大きいな……
僕が首を傾げる隣。
右側には先代が、鋭い目付きで宙を睨んでいる。
そして反対左側には瀬山さん、俯き気味で微かなため息をついていた。
____それから……お前、
勝手なままに我らを縛り、
勝手なままに我らを解いた、
しかも……そこの生者に滅させるとまで言うたな、
どこまでも腹立たしい、
昔からそうだ、
そうやって従順な顔をして、
最後は私を裏切るのだ、
そして私を失墜させる、
私はお前が憎い、
お前のせいで私はすべてを失った、
許しまじ……許しまじ……
だが、感謝もしよう、
なんといっても私の依り代を持って来てくれたのだ、
若き生者の身体を私に差し出さん、
その身体を依り代とすれば、霊力のすべてが手に入る、
そう、希少の子の霊力がな____
え……?
待って、どういう事?
依り代?
希少の子の霊力が手に入る?
それって……
疑問符を飛ばす僕の横、瀬山さんがすっと前に出た。
そして悲しい顔を隠す事なくこう言ったんだ。
『…………相変わらずですね。自分勝手で利己的で。私は岡村さんを依り代に差し出す気はありませんよ。勘違いなさらないでください、……父様』
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