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よしっ!
数え切った、長かった!
ここからは時間勝負だ、
翔君、2分待ってて、
必ずキミを助けるからね!
「大福! 僕を守って!」
呼ぶや否や。
飛び来た猫又は巨大化し、唸りを上げて牙を剥くと、長に激しく威嚇した。
いつもありがと、助けてくれてありがと、心強くて泣けてくる。
時間を稼いで、そのまま1分僕を隠して。
急がないと。
焦る気持ちを無理矢理抑え、下げてた両手を目の高さに引き上げた。
さっきから、こっそり溜めてた僕の霊力は今回小さなビー玉大だ。
だけど濃厚、中身は詰まりに詰まってる。
息を吸い、火花を散らすビー玉に更に霊力を流し込んだ。
途端赤黒かった塊は、色が薄まり朱に変わり、ぶわんと一気にデカくなる。
あとはこれを、いつもの鎖に、構築するんだ、向かい合わせた、両手両五指、左右から、近付けて、接触させて、電気と電気を、ぶつけ合って、ショートさせれば…………っ!
バチバチィィィッッ!!
手の中の塊は、新たに加えた強い霊力に反応すると、形状変化を成功させた。
が、いつもの鎖と少し違う、色は朱色で赤じゃない。
無数の鎖は出現しない、此処にあるのは一本だけ。
あえてこうした、
分散させない、
霊力の全てはこの一本が独占する、
強靭でしなやかで、
同じ霊力を有するモノを探知する、
どこまでも追いかける、
どこにいたってつかまえる、
この鎖を、前方約2メートルに____ぶん投げるっ!!
「行けーーーーーーーーっ!!!」
僕の絶叫に守護猫又が横に退いた。
その先に現れた、長に向かって朱色の鎖は速度を持って宙を行く。
瞬き三つの時間を経て、鎖の先は今まさに長の眉間に届く所で____
息を呑む、どうか上手くいってくれ。
これは中村さんと翔君の二人の案だ。
聞いた時、僕には出来ない、スキルが足らない、そう思った。
だけど、その案を今まさに実行中な訳で。
汗が落ちる。
お願いだから、上手くいって。
翔君を返してくれ。
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