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「ありがとうございます、理解しました。だけど厄介ですね。喰われたら一発アウトだ。ねぇ中村さん、喰われてから破壊が始まるまでの時間ってどのくらいなんです? それがわかれば、その間に助け出す事が出来るかなぁって」
『時間か。僅かでも時間があればいいんだが……無いんだ。喰われたら即、破壊が始まる。そうしないと長自身も危険だからな』
眉間に皺を寄せて首を振る。
中村さんは『やはり難しいか……』と独り言ちた。
それを聞いた翔君は、膝を抱えて唇を噛んでいる。
思いつめた顔をして目はもう真っ赤だ。
ああ……ダメ……僕はあの目に弱いのよ。
タイプはぜんぜん違うけど、年下というだけで嵐さんを思い出す。
長は魂を喰うと即座に破壊を始める。
破壊が終われば魂はただの燃料になる。
長の霊力となり、霊体を構築したり、攻撃したりが出来るんだ。
どうしたらいいんだろう。
喰われれば即アウト。
これをどうにかしないと、戦いを挑んだはいいが逃げる事しか出来ない。
しかも……長は喰らうのが早い。
さっき一人喰らってたけど、あれは”喰らう”じゃなく”吸ってた”だ。
パワフルな掃除機バリにあっという間に呑み込んでたもの。
多少の距離があっても問題無いのもヤバイ。
捕食のスキルって本当に厄介だよ。
あぁぁ、社長のソウルアーマーがあったらなぁ。
そしたらさ、喰われてもさ、破壊されないかもしれないのに。
それかね、前にジャッキーさんから聞いたヤツ。
なんだっけ?
黄泉の国の調査隊がさ、マザスターの調査に行く時に着るヤツでさ、星に吸収されないように身を守るさ…………んー、あ、思い出した。
シールドスーツだ。
そういうなぁ、ステキ装備があったら良かったなぁ。
そしたら怖くないのに、喰われるの上等! とか言えるのに。
ソウルアーマー、シールドスーツ。
全身覆う完全防備。
包み込んで守ってくれて、そうだついでに修復もしてくれる。
そういうものがあればなぁ……あれば……あれば……
……
…………
………………
いや待て、あるじゃん。
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