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身体が揺れるくらいの心臓音。
そりゃそうか、全部で26人分だ。
騒がしくもなるだろう。
____まだかー!
____出せー!
____えぇっとー!
「はいはいはい! わかりましたって! 今出してあげますから!」
中にいる彼らは『外に出せー!』と大騒ぎだ。
ああもう、そのせいで心臓がドッキドキだよ。
____おそらく副作用だ、
____欠片と言えども凄い霊力を飲み込んだのだ、
____だが心配ない、時期に慣れる、
____激しく感情が昂りでもしない限り、通常に戻るだろう、
中村さんはこう言っていた。
大きな霊力の副作用、感情が昂れば心臓を大きく鳴らす。
あははは、うるさいったらありゃしない。
早いトコ出してあげなきゃ。
や、ホントに、だって後ろもうるさい、先代も騒いでる。
『”出してあげる”? ……まさかキミの中に彼らがいるのかい? ちょっとぉぉぉぉ! 駄目じゃなぃぃぃぃ! 魂が混ざっちゃうでしょぉぉぉぉ!』
ちょ、先代、落ち着いて、チガウから、いるにはいるけど僕の中じゃないから、場所チガウから、もしそうならこんな元気じゃないから。
テンパる先代を腰にぶら下げ、僕はみんなを外に出すべく言霊を唱えた。
「瀬山の霊媒師のみなさーん! お待たせしましたー! 全員外に出てきてくださーい!」
ふふふ、どうよこの無難すぎる言霊は!
僕は学習したんだ、
人前で唱えても照れないような、ごくごく普通の呼びかけを言霊にした方がいいってコトを!
可もなく不可もない言霊を唱えた数秒後。
首にかけたペンダント、瀬山さんの霊力の塊がブルブルと震え出した(スマホのマナーモードっぽい)。
来る、そう感じた次の瞬間、男達は次々宙に放たれた。
ビュンッ……シュタッ!!
先陣切って、華麗な捻りで地に降りたのは僕らのポニテのいぶし銀、そう中村さんだ。
まとめた髪にツヤはなく、それがかえってカッコイイ。
次に降りるは薙刀使いの森木さん、その次は霊矢使いの野崎さん、霊刀使いの丸山さんにガンマンの大上さん……と、あっという間に全員が外に出た。
そして。
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