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第2班と第3班が今か今かと出陣を待つ中、斧とこん棒コンビが蛇を相手に暴れまくっていた。
巨大な蛇は背中の小蛇のほとんどを失って、怒り狂って宙を飛ぶ。
その動きはジェットコースターを連想させるも……ヤダ絶対、長コースターなんて頼まれたって乗りたくないわ。
上昇からの急降下、開いた口が速度を持って襲い来た。
狙われたのは斧使いの林さんだが間一髪。
力士ライクな巨大な霊体を毬のように飛び跳ねさせて、両手で持ったドデカイ斧を着地と同時に振り切った。
ギャッッ!!
短いけれど激しい叫び、叫んだ長は横の腹を大きく裂かれ、黒い液を垂れ流す。
垂れた液はみるみるうちに凝固して、開いた傷口が塞がりかけた。
だが長の自己治療は成功をおさめなかった。
こん棒使いの高野さんがそれを許さなかったからだ。
高野さんの攻撃は超シンプル、塞がりかけた傷口をしこたま殴打。
殴打の数が執拗すぎて回復が追いつかない。
負傷の蛇は苛立ちながら高野さんを振り切ると、宙に上昇、一旦退いて修復を優先させるらしかった。
そこから少し離れた場所。
そこでは治療を終えた杉野さんがノソリと起き上がる所だった。
『悪いな……大橋、助かったよ』
頭を左右に軽く振り、お礼を言った杉野さんだがまだ本調子ではなさそうだ。
中村さんは5割の回復で一旦戻すと言っていた。
来てください、大丈夫、あとは僕が回復させます。
活躍の大橋さんは両手をド紫にさせてるものの、特段弱ってるようには視えなかった……が、腕はダラリと下げたままだ。
大丈夫かな……?
そして大橋さんの相方、近藤さんといえば。
千切れた小蛇を乗せたまま、ドデカイ防御陣を1人で支えていた。
傍には翔君、ガンマンの大上さん、そしてノコギリ使いの長澤さんもいる。
何を話しているんだろう?
僕のいるこの場所から、ギリギリ声が聞こえてくるのは大橋さんがいるトコまで。
それより距離のある近藤さん達は、音としては聞こえるけども、内容までは分からないんだ……が、動きは視える。
目線の先。
近藤さんの両手がカッと眩く光り、平たい防御陣がグシャリと丸まった。
おそらく大量の小蛇も一緒に丸めたのだろう、地面には一匹も落ちていない。
そこに翔君が近づいて、丸めた陣に手をかざす。
どうやら霊力を流してるみたいだ。
さらにそこに大上さんも近付いて、手振り身振りで何かを話し……と思ったら急に翔君達が駆け出した。
残る大上さんは防御陣に腕を伸ばす。
何か持ってる、あれは……銃だ、
大上さんは斜に構え、
丸めた陣に銃口を向け、
迷う事なく発砲した、
直後。
ドカンッ!!!!
耳を劈く爆発音。
凶悪なキャンプファイアの如く炎が上がった。
何今の……
僕が茫然と視ていると、激しい炎を背に背負って、杉野さんがこちらに向かってくる所だった。
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