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『……調子に乗るなよ、』
長が喋った。
しばらく黙ったままでいたのに、地の底から湧き上がるような低い声で、視下ろしていた。
中村さんは霊体から流れ出る黒い液を視て、その次に瘤の顔を視て、
『調子になんて乗っていない。我々はただ、あなたを滅したいだけだ』
静かな声でそう答えた。
長はそれに対して鼻で笑い、自身に刺さった二刀の剣を力技で噛み砕いた。
霊力の圧が掛けられて、剣は砂のように消えたものの、頭と顎には穴が開いている。
だが、そこから流れる黒い液が早々に修復をかけてしまった。
霊体の傷はそれよりも深いのだろうか。
それとも、所々に点在する剣の火花が邪魔するのか、修復はまだ途中のようで黒い液が流れ続けている。
中村さんはそれを視て静かに言った。
『必ず滅する、だが……今はあなたと問答をしてる暇はない。先に仲間を助けに行きたいんだ。そろそろアイツらは潰れてしまう。悪いがまた後で、』
急用がありますから、と言った態度で背を向けて歩き出す。
確かにみんな、そろそろ腕が限界だ、けど……
あまりの事に僕は、そして長すらポカンとしていると、中村さんは思い出したように立ち止まった。
『そうは言ってもあなたの事だ。邪魔しにくるに決まってる。少しでいい、大人しくしててくれ、』
言いながら両手の剣をバツの形にぶつけると、途端、刀身から炎が噴き出した。
中村さんはその剣を火花散る大蛇の傷口、黒い液が流れるそこに投げ込んだ、刹那。
ゴオオオッ!!
一瞬で大蛇の霊体が炎に包まれ、激しく燃え出したのだ。
★次のページは描いて頂いたイラストをご紹介させていただきます♪
中村ー!
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