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武器での攻撃が無効化されてしまう。
長は何度も霊体を編み変えた。
武器が霊体にヒットする寸前か、遅くともヒットの次の瞬間には、数多の蛇がバラッとほどけ、瞬く間に編み直される。
そのせいで、苦内は掴まれ、大鎌は叩き落された。
鎖鎌は鎖を切られ、こん棒は奪われる。
薙刀は遠くへ飛ばされ、ノコギリはへし曲げられた。
ずっとこの調子なのだ。
まったくもって物理攻撃が通用しない。
ならばと、ポニテのいぶし銀こと中村さんが、蛇の霊体を炎で焼き払おうと試みた……が、それも無効。
炎が長を呑み込む寸前、蛇はほどけて、四方八方散り散りになったからだ。
いなくなった蛇達は、どこかの陰に集まって、再び人の形を模した姿で現れた。
キリが無いな……これじゃあ、みんなの霊力が無駄に削られる。
今の所、長からの攻撃はないが、間接的に攻撃を喰らっているようなものだ。
あ……もしかして……もしかすると、長はそれを狙っているのか?
だとしたら厄介だ。
このままいけば霊力は削られ、いつか底を尽くだろう。
長の霊力を削るつもりが、反対に削られているのだ。
マズイ展開だ……だけど……なんだろ……なんか引っ掛かるな、これって長らしくない攻撃だよ。
あの人……多分、派手な事が好きだ。
いや、近いけど少し違う。
派手な演出をして”自分の霊力を誇示したいタイプ”の霊なんじゃないのかな。
顔だけだった時もそう。
高圧的な態度、大きな声で威圧して、大袈裟な話し方をする。
聞いてもにないのに自分の話を延々とするんだ。
相手の気持ちに興味がなくて、いかに自分を大きく見せるか、そこに強く固執する。
だがら第二形態は大蛇だったんだ。
視た目は派手だしバカデカイし、プレッシャーを与えるのにピッタリじゃない(実際、僕はすごく怖いと思った)。
霊体中に生やした毒小蛇、空から降らせる多量の梵字、耳を劈く咆哮に、長コースター。
中村さんの炎に包まれて尚、復活した第三形態にしては視た目もやり方も派手さが足りない(派手の代わりに気持ちワルイけど)。
地道にコツコツ。
自分からは攻撃せずに、受けた武器を無効化してる。
こんなの……不本意なはずだ。
本当ならもっとド派手に誇示したいはずだ。
なのにしない。
これが何を意味するか。
つまり、僕やみんなが思う以上に、長の霊力は減っているって事じゃないのか?
おまけにさ、僕がいるから捕食が出来ない。
霊力の補充が出来ないんだ。
そう考えれば辻褄が合う。
これ、チャンスじゃないか?
中村さんの言う通り、再びチャンスが巡ってきてる。
ただ、蛇の霊体の編み変えスキルが邪魔をするんだ。
だとすれば…………僕の頭に一つの作戦が浮かんだ。
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