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僕の霊力は溶かされないと分かった所で更に霊矢を撃った。
これでもかと撃ちに撃ち、視た目は”火の山”→”針の火の山”へと進化する。
準備その1はこれでいい。
準備その2は、僕だけの霊力で霊鎖を大量に構築し、そのすべてを惜しみなく山に投げた。
霊鎖と霊矢、同じ霊力は引き合ってくっついて、結果、有線接続される。
準備その3、これは僕自身の準備が必要。
思い出せ、瀬山さんはなんて言ってた?
____イメージするんだ、
____構築の済んだ物を次は何に作りかえたいのか、
____強く、強く思い描くの、
そう、イメージだ。
目的は?
みんなを助けたい。
その為にはどうすればいい?
山の中からみんなを出す事は出来ない。
だから山をどうにかどかしたい、消してしまいたい。
そんなコト出来るかな、山はなにで構築されてる?
長の梵字だよ。
山をどかすのは大変だけど、1個1個、梵字をどかすと考えればどうにかなるかな?
なる……かな、…………いや、意地でもどうにかするよ。
どうやって?
梵字を造り変える。
造り変える?
うん、昨日瀬山さんに教わった術。
一度構築された物を別の物に造り変えるんだ。
再構築か。でも勝率5割じゃない。大丈夫? 失敗するかもよ?
だ、大丈夫、だと思う。
2回に1回なら成功するようになったもの。
昨日はさ、霊矢を拘束網に再構築する練習で、まったく違う物に変えるって大変だった。
だから今回難易度を下げようと思うんだ。
それって、どうするの?
それはね____
猫又の背の上で、僕はイメージし続けていた。
こうしたい、という結果だけじゃなく、どうして再構築がしたいのか、その為にはどうしたらいいか、そういったモノを具体的に頭に浮かべ、その思考をひたすら霊鎖に流し込む。
勝率5割。
2回に1回の成功率だ。
大丈夫、1回目が失敗したら、計算上、次の回は成功するんだ。
霊力はいくらでも出せる、何度でも挑戦してやる。
じゃんじゃん霊力を流し込む。
結構な量になったはずだ。
高さは目測10メートル弱、みんなを埋める憎き山は、あとどのくらいで霊力が満杯になるのだろう……なんて、思った時だった。
霊力を流す両手に抵抗を感じた。
これ以上は入りません、といった感覚で、どうやら山は霊力で満たされたようだ。
「よし、イメージ、イメージ大事」
僕は梵字をどうしたいのか、頭の中に思い浮かべる。
どかすんだ、重たい梵字は動かせない、だから軽くしたい。
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