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急ぎ地上に降りた。
羽の文字は降り続け、辺りは幻想的な雰囲気だ。
そんな中、厳つい男達が背中をさすり、腰をさすり、『霊体イテー』とか『こ、腰が……』とか渋い声を漏らしてる。
今すぐ消えそうとまではいかないけれど、さっきまで山に潰され燃やされてたんだ。
無理もない、きっと霊体が辛いのだろう。
この後、大丈夫かな?
長と戦えるかな?
先に癒しの言霊を使った方が良いかな?
なんて考えていると、僕に気が付いた男達が一斉に喋り出した。
『岡村ぁぁぁ! 助けてくれてありがとなぁぁぁ!』
『えぇっとー! 感謝しますぅぅ! 中でぜんぶ霊視ましたぁぁ、はいぃ!』
『長のヤロー、本体は蛇の腹だったのかーっ!』
『猫も大活躍じゃないかー!』
『ありがとう! ありがとう!』
と、このくらいは聞き取れたけど、あとはもう何が何だかだ。
大声で大騒ぎの大興奮。
女性が3人集まれば賑やかになる、とはよく聞くが、なかなかどうして、男だって負けてない。
てか良かった……これだけ元気なら心配しなくてすみそうだ。
いつぞやのオタク軍団か? ってくらい騒がしい中、僕らのポニテにいぶし銀、中村さんがやってきて、
『岡村、改めて礼を言う。我々を助けてくれてありがとう』
そう言ってくれたんだ。
「みんなが無事で本当に良かったです。長に消されちゃうなんて絶対イヤだもの。それより霊体は大丈夫ですか? みんな元気そうに視えるけど……実は無理してるとかじゃない? もしそうなら、長が来ないうちにみんなを回復させたいなって、」
『ありがとう、だが大丈夫だ。霊体はなんともない。彰司さんと岡村と猫の霊力が守ってくれたんだ。塊に押し潰されて、火までつけられ、此処までかと無念に泣いた……が、いつまでたっても消滅しないし、苦しさも感じない。大橋と近藤に聞いても何もしていないと言う。それで気付いたんだ。強い霊力が我々を救ってる、傷の霊体を修復し続けているのだとな』
そうだったのか……混ざり合ったマーブル模様、瀬山さんと大福と僕の霊力がみんなを守ったのか。
だから無事でいてくれて、だからあんなに元気なんだ。
えへへ、なんだかすっごく嬉しいや。
でもってあの欠片、みんなに飲んでもらっておいて、本っ当に良かったよ。
あの時はただ単に、絶対失くさないようにするには飲んじゃえば良いんじゃない? くらいのノリだった。
ぶっちゃけ深く考えた訳じゃない。
修復機能が発動するのは、長に喰われた時だけだと思ってた。
まさかそれ以外でも発動するとは考えてもなかったんだ。
これってさ、結果オーライ、超オーライだ。
中村さんは『リスクを仮定し、回避の為に欠片を飲ませたのだろう?』なんて感心してて、それはチガウと言ってみたけど『謙遜するな』と譲らない。
何度言っても信じてもらえず……もういっか。
誤解だけども、ココはひとつ褒められとこう。
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