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誤解なのにちゃっかり褒められイイ気分になっている時だった。
ワクテカ全開の若い声が、ちらりほらりと耳に聞こえた。
この声は翔君?
『あ、まただ。また【弥生さん】だ、』
ん? んー、ん?
なぜココで弥生さんの名前が……?
なんだろ、胸騒ぎがするんだけど。
『どうした、翔』
杉野さんが問いかけた。
それに対して翔君は、
『空から文字が降ってくるだろ? キレイだなぁって視てたらさ、コレ文章になってるんだよね。落ちた順に読んでると【先代好き】とか【瀬山さん好き】とか【大福好き】とか、誰々が好きってのが多いんだ』
そうなの!? と杉野さん以外にも、男達が喰い付いた。
逆に僕は青ざめる。
ヤバ……僕の心が駄々洩れになってる予感。
『他にもあったよ、【社長好き】とか【ジャッキーさん好き】とか【キーマンさん好き】とか……あ、そうそう、さっき俺らのコトも好きって降ってきた! 照れるな、俺も岡村大好きだ! でさ、好き好き言ってる中でも【弥生さん】って人のは他の人よりたくさんあって、【弥生さんカワイイ】とか【弥生さん優しい】とか【弥生さん大好、』
だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
駄目だぁ!
それ以上喋らないでぇぇぇ!
僕は鬼の形相で翔君にダイブをし、その口を塞がせていただいた。
『フガフガ……! ひゃにすんだお!(ナニすんだよ)』
「いいから黙って! 声に出して読まないで! お願いだからーっ!」
し、しくじった……!
これはきっと、さっきのイメージが原因だ。
____好きなコト、好きなモノ、好きなヒト、したいコト、願うコト、ぜーんぶ文字に!
と、念じまくったじゃない!
その結果がコレだ!
僕の中の好きの気持ちを盛大に、空から降らせてしまってるんだ!
恥ずかしー!
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