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長い睫毛に水滴を光らせて、弥生さんはポツリポツリと話始めた。
「ごめんな、エイミーちゃんの面倒を見に来たってのに、アタシの話なんかして……でもさ、他に話せる人がいないんだ。誠とユリちゃんは新婚だ、こんな話ししちゃ駄目だし、他のみんなも……な。
…………あのね、やっぱり夫1人に妻2人って無理がある。ジャッキーが一番好きなのはやっぱりマジョリカだし、マジョリカはそれを知ってるからアタシをバカにする。それが……最初は我慢出来たけど、だんだん辛くなってきてさ」
「ん……? …………うん、」
思った以上の内容に、言葉がうまく出てこない。
だけど……それ、弥生さんの考えすぎじゃないのかな。
ジャッキーさんは弥生さんもマジョリカさんも大好きだ。
言葉は悪いけど、どうかしてると思うくらい大好きで、あの熱量には圧倒される。
マジョリカさんが一番好き、と選べるくらいなら、あんな大騒ぎにはなっていない。
ジャッキーさんは弥生さんとマジョリカさん、どちらか1人を選ぶ事が出来ないからこそ2人共諦めようとしたんだから。
マジョリカさんだってそうだ。
あの人くらい優しくて公平な人を視た事が無いもの。
彼女が泣きながら現世に来た時、弥生さんには文句を言ったが、同じ顔したヤヨちゃんにも、弥生さんの仲間である僕にも、決して嫌な態度は取らなかった。
それどころか優しかった。
弥生さんがボロボロになりながらマジョリカさんを守った時も、泣きながら身を案じていたんだ。
そんな人が弥生さんをバカにしたりするはずがない。
そもそも、今ではマジョリカさんは弥生さんが大好きだ。
彼女はあの美貌なのにへっぴり腰で、戦闘中の弥生さんのモノマネを愛情を持ってするくらいだ。
それを____やんわりと言ってみた。
本人は真剣に悩み、傷付いているんだ。
頭ごなしに否定は出来ない、だから優しく、それは誤解だよ、と説明したんだ。
「こういうのはさ、かえって第三者の方が冷静に見れるものだよ。ジャッキーさんは2人とも大好きだし、マジョリカさんは誰かをバカにするような人じゃない。……本当は、弥生さんもわかってるんでしょう?」
弥生さんの前で膝を着いた近い距離。
覗き込んで反応を待った。
さわる訳にはいかないから手は床に乗せたまま、そう、決して気持ちがバレないように、だ。
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