第二十章 霊媒師 瀬山 彰司

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キィィィィィィィィィィィ……………… なんだ……? 自分で自分を……と覚悟を決めかけた時、どこか遠くから異音が聞こえた。 (おさ)が何かしてるのか……? いや……(おさ)も戸惑っている。 僕に向けた人差し指を止めたまま、目線を右に、左に、……そして窓に向けた。 窓……? あの向こうは何もなかったはずだ。 ただ白い世界が広がって、果てがないのが不安にさせた……が、その方向に神経を集中させると、確かに音は窓の方から聞こえてくる。 何だろう……なんとなくの防衛本能。 僕は1歩、2歩と後ろに下がった、(おさ)を視て、窓も視て、……その瞬間だった。 ガシャーーーーーーーーンッ!! ソプラノの爆音がした。 同時、大きな窓が粉砕されて、キラキラ輝くガラスの欠片が渦を巻いて舞い降った。 突然開いた窓からの、吹き込む風はすこぶる強くて、ガラスを床に落としてくれない。 危なくてまともに目が開けられなかった。 極限まで目を細め、ナニが起きたかそれを知ろうと必死になったんだ。 薄く開けた視界の中に、2つの人影が映り込んだ。 どちらも細身。 シルエットは似てるけど、1人は短髪、もう1人は長めの髪がサラサラとなびいてる。 『岡村君、』 『岡村さん、』 ガラス吹雪の中心で、僕の名前を力強く呼ぶ声がした。 この声……嘘だろ……来てくれたんだ…… でも……でもさ、此処は(おさ)しか出入りできないんじゃなかったの? なのにどうやって……ああ、そんなのどうでもいいや。 いつだって助けてくれる、いつだって見放さない。 不可能を可能にするのは、この人達の十八番じゃないか。 一気に涙が込み上げる、我慢出来ずに溢れ出す。 ガラス吹雪が収まりを見せ始め、薄い影がハッキリしだす。 そして、重なる声が言ったんだ。 『『 待たせたね、迎えに来たよ 』』 現れたのは、僕の偉大な師匠達。 大好きな先代と瀬山さんだった。
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