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助けを借りて起き上がる。
本当は1人で平気だけど、優しさが嬉しくて甘えてしまった。
僕は一人一人の顔を視て、ああ、帰ってきたんだなぁ、なんてニマニマしてたんだ。
そしたらさ、あろうことかポニテのいぶし銀が……
『お前のヘマじゃない。私がもっとしっかりしていれば良かったのだ、すまない』
そう言って頭を下げたんだ。
えっ! ちょ! やめて!
一気に目が覚めた僕は冷や汗をかいた。
だって中村さんが謝る事じゃないもの!
「ち、違うよ! 中村さんのせいじゃない! 僕が油断したの! カウントも残り1つで、まだなのにもう滅した気になったのかもしれない。ごめんなさい、最後の最後まで気を抜いたらダメなのに」
『気が抜けたのは私かもしれん。そんなつもりは無かったが、現にお前を危険に晒した』
だから、私が悪い、
ちがう、僕が悪い、
男2人で謝り試合。
埒が明かないこの試合。
引っ込みどころを見失った僕達を収束させたのは大上さんだった。
『あーあー、どっちも悪くねぇよ。そうだなぁ、じゃあよ、森木のオッサンが悪かったってコトで良いんじゃねぇか?』
半笑いのニヤケ顔。
大上さんは自慢のデザートイーグルを、長に突き付けたままそう言った。
いきなりの無茶振りに森木さんが慌てたのは言うまでもない……のだが。
『えぇ!? えぇっとー、私ぃ!? えぇっと、えぇっと、……ふむ、そう言われると私が悪いような気がしてきました。ここは素直に謝りましょう。ゴメンナサイです、はい』
コッチこそ、えぇ!?
謝っちゃうの? 森木さん悪くないのに? いいの? それでいいの?
僕を含めた全員が汗を掻きつつポカンとし、でも耐えきれない17才が霊体をくの字に笑い出すと……もうダメ、限界。
翔君につられた僕達も、目尻に涙を滲ませて、ひーひー言いながら、バカみたいに大口を開けて、腹を抱えて笑っちゃったんだ。
この時おそらく____
みんなは頭の片隅で同じ事を考えてたんじゃないかと思うんだ。
長を滅する、これはもちろん忘れてない。
だけど、それでも、こんな時だけど、たくさん話そう、たくさん笑おう……だってもう時間がない。
別れの時は、すぐそこまで迫っているのだから、と。
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