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最後は____
とても呆気の無いものだった。
あれから結局、長は最期まで意識を取り戻す事はなかった。
固く目を閉じたまま、時折顔を歪ませ、時折小さく何かを言って、それを幾度も繰り返す。
邪悪な表情で笑う事も、怒りにまかせ怒声を上げる事も、誰かの魂を喰らおうとする事もなく、頭の蛇も抜け落ちた長は、皺だらけに枯れ果てた、どこにでもいるただのお爺さんになっていた。
貫く薙刀が長と地を縫い付けて、僕達はそのまわりを狭く囲んだ。
それぞれの武器を捨てたのは、
『……もう、大きな霊力は必要ないようだ、』
長の様子に中村さんがそう言ったからだ。
武器を使わず霊力で滅する、みんなはそれに頷いた。
個々によって霊力の色は違うから、長に向けたたくさんの指先が、赤や青、緑に紫、黄に橙と、まるで小さな百色華を思わせて、キレイだなぁなんて……こんな時だというのに、みんなしてため息をついたんだ。
『お前達、準備はいいか?』
こう聞くのも2回目の中村さんは、みんなの顔を順に視た。
『ああ、いいよ』
『今度こそだな』
『いつでもいいぜ』
聞かれたみんなはバラバラとそれに答え、指先に一層の霊力を込め、カウントダウンを待っていた。
そして……これも2回目、5から下がって0で滅する。
そのカウントが始まった。
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