第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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~~いつまでたっても平行線・バラカス視点~~ さぁて、そろそろ手続きも終わった頃だろ。 朋美の手下共でも視に行くか。 朋美(アレ)がレンジャーに入って13年。 ペーペーだった兵隊が来月からは隊長だ。 ____自分の部下は自分で視つける! そう言って数ヶ月。 条件に合うヤツが中々いねぇとボヤいてたのに、ギリギリで視つけやがった。 現世に行ってる瀬山の小僧の紹介で、相当強い奴らと聞いたが、まさかそれが……ケケケ! 揃いも揃って元悪霊共ときたもんだ! 面白(おもしれ)えじゃねぇか、俺と一緒だなんてよ(・・・・・・・・・)! どんな凶悪なツラした奴らか、こりゃあ視に行くしかねぇだろ。 【黄泉の国入出国センター】に着いた俺は、さっそくまわりを囲まれた。 どいつもこいつも俺を視ながら”カワイイ、カワイイ”騒いでる。 いつものコトで慣れっこだ。 テキトウに騒がれながら朋美が来るのを待ってると____来た。 エレベーターの扉が開いて、赤髪のマッチョな女とその後ろ、ゾロゾロと野郎共が降りてきた。 …… ………… ………………なんだよ、えらく普通だな。 凶悪面子を期待したのに、(ひと)の良さげなツラしてやがる。 チッ、つまらねぇ。 しっかし数いるな、全員野郎で年はバラバラ。 (わけ)えヤツから爺さんまで、……オイ待て、子供が混ざってるじゃねぇか。 アイツ……年は、16,7ってところか。 マジョリカと変わらねぇくらいだろ。 無邪気なツラして俺を視てる。 だけどどこかオドオドしてる。 まったくよ、現世はやっぱりクソだな。 あんな子供を巻き込むな。 大方、霊力(ちから)が強くて利用されたんだろうがよ。
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