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『バラカス!』
俺に気付いた朋美が手を振る、『おぅ』と返せば大股でやって来る。
『入国手続きか?』
すっとぼけて聞いてみれば、”待ってました”と言わんばかりに食い付いて、
『ああそうだ。コイツらアタシの部下なんだ』
答えた朋美は鼻息が荒かった。
朋美は分かりやすい、感情がすぐ顔に出る。
嬉しい時はなおさらだ。
『コイツら全員? ケケケ! 大量雇用だな。で、使えるヤツらなのか?』
野郎共は元悪霊、というのは知らない振りのが良いだろうと、ワザとらしくも聞いてみる。
『もちろん! ハンパねぇ強者共だ。視てなバラカス、コイツらは化けるぜ?
アタシら部隊がエースになるのに2年もかからねぇよ』
『2年たぁ大きく出たな。ま、悪霊やってたくらいだ、霊力はあるんだろうけどよ……あ、やべぇ!』
しまった、知らない振りをしてたのにウッカリ口が滑っちまった。
情報部にハックしたのがバレちまう……! なーんてな。
バレたらバレたでその時はその時だ。
脆弱性ガー! とか言いながら逆ギレしとけばなんとかなるだろ。
ま、とは言え相手は朋美、
『ガハハハハ! もう知ってるのか! そうだ、アンタと一緒だよ。だが今は違う。それもアンタと一緒だ』
やっぱりな。
なんで俺が知ってるか、理由なんざどうだっていいらしい。
今の朋美の一番の関心は、元悪霊の部下達に向いてるようで、
『近いうちにコイツら連れて挨拶に行くからさ。あ、どうせならマジョリカがいる時がいいな。久しぶりに飲みてぇし。んあ? そりゃそうだ! オッサンの顔視ながら飲む酒より、カワイイ子視ながらの方がウマイに決まってるだろ。当たり前のコト聞くなよな、これだから素人は。あはは、うん、ありがとう。コイツらに色々教えてやってくれ。男同士、仲良くしてやってくれ』
そう言って、俺に頭を下げやがるんだ。
まったくよ、おまえはヤツらの母親か?
ウチの子供達をよろしくお願いします!
ほとんどそんなノリだ。
まぁ、いいさ。
朋美が言うなら仲良くしてやる、心配すんな。
それによ、ケケケ!
こういうのは懐かしい。
____バラカスと仲良くしてあげて、
____悪かったのは昔の話で今は違う、
____口は悪いけど、本当はとっても優しいの、
____私はバラカスが好きよ、
____ねぇ、私と友達になってくれる?
まるで昔の白雪みてぇだ。
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