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『バラカスも来るか? 親睦会、』
誘われたが断った。
そのうち挨拶来るんだろ?
コイツらだって黄泉の初日で緊張もしてるだろうし、今日くらいは身内だけでやってやれ。
知らねぇヤツがいりゃあよ、多少なりとも気を遣う。
ああそうだ、そういうもんだ。
だからな、また今度な。
さぁて、この後はどうするか。
マジョリカは夜勤明け、今頃ぐっすり寝てるだろうし、サーバーのメンテナンスは終わってる……やるコトがねぇな。
かといってこのまま帰るのもなんだしよ、…………そんじゃあ、アレだな、せっかくだから街にでも寄ってみるか。
黄泉の国入出国センターから街まですぐそばだ。
黄泉の国には至る所に大きな街がある。
俺とマジョリカが住む地域、そこから一番近い街がここ【ミシレイニアス】だ。
建ち並ぶ巨大なビル、たくさんの洒落た店、大きな劇場、あらゆるエンターテインメントが存在する街。
この街を中心に【黄泉の国入出国センター】、【光道開通部】、【光道開通部機械棟】、などの各機関が集中しているのもあってか、いつだって霊達でごった返してやがるんだ。
街に寄るなら……
『この姿のままじゃマズイな、』
俺様のキュートさは、どの星の奴らにも大ウケだ。
パンダの姿で街を歩けば、あっという間に囲まれる。
”カワイイ、カワイイ”と騒がれて、ゆっくりなんて出来やしねぇ。
まったくな……いまだにこれが解せんのだ。
生まれ育ったバンブー星じゃあ、俺は強面で通ってた。
子パンダは俺を視て泣き出すし、野郎パンダは目を逸らして回れ右。
だがその分、姫パンダにはモテモテだった。
____悪いパンダとわかっているのに愛さずにはいられない、
なんて。
生きてた頃、姫パンダ達からこのセリフを飽きるほど聞かされた。
なのに今じゃあ、
____きゃー! 可愛いー! ふわふわもこもこーっ! コッチ視てー!
だもんなぁ。
調子が狂うぜ。
死んでから、男も女も大人も子供もみんながそう言う、飽きる程聞かされた。
つーかよ、ついさっきもセンターで聞かされたっけ。
とにかく、パンダビジュアルはダメだ。
パチン!
爪の先を軽く弾けば軽快な音が鳴る。
黄泉の国ではおなじみの、指を鳴らして霊力を発動。
ボワン!
自分の霊体の再構築だ。
発動までは僅かたったの0.02秒。
身長が低くなる。
たったの2メートルに縮小される。
霊体の毛は抜け落ちて、残っているのは頭部のみ。
『ふぅ、あんまり慣れねぇ姿だけど仕方がない』
俺の姿は激変だ。
参考モデルは地球人、圏域はヨーロッパ。
銀髪碧眼、一般的には色男と呼ばれる部類。
俺はプリティパンダからヒトの姿へと変化を遂げた。
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