第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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____オイ、お前ら”ジャッキー”とか言ったな。それは現世に住んでいるジャッキーの事か? ヤツは今、東京で霊媒師をしてるんだがよ。知ってるのか? 気になった俺はオタク集団に声を掛けてみたんだ。 その時のヤツらの食いつきと言ったら尋常じゃあなく、 ____知ってますぞ! ____ジャッキー氏は我々オタクの同士なのであります! ____……ボソボソ……フィギュアノ……カラダ…… ____そう言えばアノあんちゃんは霊媒師だったナ! ____黄泉の国へ送ってくれたのもサンタマリアとジャッキー氏…… とまあ、いっぺんに喋り出すわ、しかも止まらねぇわで大変だったが、それで大体の事情を知った。 なるほどね、ジャッキーがコイツらを黄泉に送ったのか、それも俺のサーバーの霊力(ちから)を使ってだ。 ケケケ! 面白れぇじゃねぇか。 事情が分かって満足した俺は、そのまま街へ戻るつもりでいた。 そりゃそうだ、アイドルだかなんだか知らねぇが、そんなモンに興味はねぇし、…………そう、興味なんてねぇんだよ、まったく、本気で、なのにどうしてこうなった、俺はヤツらに捕まって、結局2時間半のライブに最後まで付き合わされたんだ。 …… ………… 『オッオー! オッオー! オィオィオィオィ! ラブリー! エアリー! ミルキー! A・G・L!! オッオー! オッオー! オィオィオィオィ! あひょーーーーん!! 楽しかったでありますなぁ! 興奮がおさまりませんぞ!』 歌って踊ってコールして。 2時間半をフルで満喫したコイツらは顔が汗でギトギトだ。 テンションが下がる様子は微塵もねぇ。 『いやぁ、それにしても(それがし)はライブ初参戦とは思えませんなぁっ!』 『確かに! 【A・G・L】の曲を聞くのも初めてと言ってた割にはコールは完璧! いやぁアッパレ!』
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