第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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『えぇ? なんで? 気まずくなんかならないわ、すごく楽しかったわよ。ただねぇ……私の母は薬物のエキスパートだから、色々うるさいのは確かね。劇の中でお妃様が、毒入りの梨を王女様に食べさせて毒殺しようとするシーンがあったんだけど、梨に注入するなら植物性の毒が良いとか、王女様の年や体重を考慮しないと致死量計算を間違えるとか、ほら視ろ蘇生しちゃったじゃないとか、材料寄越せ、も っ と ス ゴ イ の 作ってやるとか、もうね、ずーーーーっと喋ってるの!』 うふふー! 言いながら白雪はおかしそうに笑った。 それ……オモシロイのか?  継母のお妃が継子の王女暗殺未遂、コレ、まんま生きてた頃のおまえらの話じゃねぇか。 俺ならどっちの立場でも気まずいわ。 その劇を視に行くなんて猛者すぎだ。 『ウチの母もソレガシーさんと一緒なの。母もオタク、重度の”薬物オタク”だわ。薬物の話になると長くて大変。でもね、楽しい。好きな人が好きな話を私にしてくれる、それってすごく嬉しいコトだもの』 はぁん、そうか。 そういうモノなのか。 ____好きな人が好きな話を私にしてくれる、 ____それってすごく嬉しいコト、 聞いた俺は、ドキッとしたんだ。 深い意味は何もねぇ。 母と娘の間の話、そりゃあ分かっちゃいるけどよ。 なぁ、白雪。 俺達は長い付き合いだ。 今まで……俺の話を聞いててよ、嬉しいと思ったコトはあるのか? ★バラカスはずっと前から白雪ちゃんが好きなのですが、そのコトをマジョリカがジャッキーに話してるシーンを参考までに…… https://estar.jp/novels/24474083/viewer?page=695&preview=1
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