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し、知りてぇ……!
だってよ、
”好きな人が好きな話を私にしてくれと嬉しい” = 俺の話を聞いて嬉しいと思ったコトがあれば俺のコトが好き……って事だろう?
気になるじゃねぇか……!
白雪との付き合いは、かれこれ100年以上になる。
俺が黄泉に来たと同時に始まった、それ以来ずっと好きだ。
バンブー星のパンダ族と地球のヒト族。
視た目もなにもかも違うというのに、それでも好きでたまらねぇ。
本当ならよ、俺の好みはスーパーセクシーなパンダ姫だ。
濡れたようなつぶらな瞳、全身を覆う白黒毛皮、腹回りは豊満で、手足は短くシルエットは丸ければ丸いほど好ましい____そうだ、そういう色っぽいパンダが好きなんだ。
なのによ、白雪に出会って、俺は変わっちまった。
初めて会ったのは【闇の道】だった。
俺は元々地獄送りの悪パンダ。
死して尚、現世で悪さをしていたが、執拗に追ってくる【闇の道】にある日とうとう捕まったんだ。
思い出せば気分が悪い、あの道を造った奴は相当なサディストだ。
焼け上がる道はマグマでこしらえ、そこを歩かされる悪霊共は霊体を焼かれる。
毛は縮れ、肉は溶け、骨が露わに、文字通り地獄の苦しみを味わうんだ。
俺と同時期に捕まった奴らは這いつくばって、”許してくれ”と泣き叫んでいた。
足裏の火傷に耐えれず膝を着き、その膝も焼かれ痛みに転がり、結局は霊体全体焼かれてしまう。
そうなると自力では起きれない。
霊体が溶かされ道に癒着し動けずいれば、今度は闇の触手が容赦なく引きずり起こすんだ。
まったくよ、ありゃあ地獄絵図そのものだ。
ほとんどの奴は痛みと恐怖に正気を失った、……が、俺はそうはならなかった。
そりゃあ辛かったさ。
あんな苦痛は初めてで発狂しそうになったけど、それ以上にムカッ腹が立ったんだ。
確かに俺は模範的なパンダではなかったかもしれねぇ。
生きてた頃も死んでからも悪い事は散々やった。
でもよ、悪事を働くにはそれ相応の理由があった。
自分と、愛するパンダ達を守る為、あの悪事は必要だったんだ。
だがよ、黄泉のオエライさんから視りゃあ言い訳の余地はねぇ、大罪なんだろ?
俺みてぇな悪党は地獄送りが当然なんだろ?
俺達がバンブー星で苦しんでた頃、あんたらは何にもしてくれなかったのによ。
罰する時だけ大張り切りだ。
いいさ、地獄だろうとどこだろうと逝ってやる。
だがな、俺は屈しねぇ。
とことん抵抗してやる、……つったって、バンブー星じゃあ泣く子も黙る悪パンダでも、【闇の道】ではただの無力なイチパンダ。
俺に何が出来るんだ。
だからせめてと大声で笑ってやった。
膝は着かねぇ、二本の足で立って歩いて、『洒落た床暖房だなぁ!』と皮肉交じりに高笑いをしてやった。
こんな道に屈するもんか、クソ野郎共、悔しがれ。
笑う俺をオエライさんはどこかで視てるはずなんだ。
それだけを心の支えに、苦痛を捻じ伏せ胸を張ってひた歩く……そんな時だった、白雪に初めて会ったのは。
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