第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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白雪はそんな俺をまじまじと視る。 首を傾げ、何かを考え込むように。 な、なんだよ、なんか言いたいコトでもあるのか? 同じ目線の真正面、白雪は怪訝な目を向けこう言った。 『そういえば…………ソレガシーさんって、なんだかバラカスに似てるわね。ああ、視た目じゃなくて、喋り方とか雰囲気よ。パンダとヒト、全然違うのになんでかしら……? ……ちょっと顔をよく視せて、』 ぐっ……! ヤ、ヤベェ、視た目が全然違うからって油断してた! 白雪の呼び方も喋り方も、いつもの俺のまんまじゃねぇか! このままじゃあバレる! 正体も、再構築をしたコトも……! 急いでごまかさねぇと……! 『…………そ、そうか? い、いや……その……その…… そ、そうでありますか!? 吾輩、白雪女史を前にいささか緊張していたのであります! 何を隠そう、吾輩はガッチガチのオタ! 【光道開通部(こうどうかいつうぶ)】の(おさ)の前でオタク全開なトークはいかがなモノかと自粛しておりましたぁぁぁ! がぁ! しかぁし! 吾輩がいらぬ気を回したばかりに、リア(じゅう)さまと似てるなど恐れ多おございまするぅぅぅ! というコトで……コホン、これより先は普段通り喋らせて頂くのでありますっ!』 シャキーーン!! 独特な動きと無駄な機敏さ、これでもかという滑舌の良さ、そして早口。 一人称は”吾輩”と”小生”で迷ったが、”吾輩”を選択。 いいか、舐めるな。 バンブー星のパンダ族は一度でも視聞きした情報は決して忘れねぇ。 【A・G・L】のライブの間、ずっとオタ集団と一緒にいたんだ。 アイツらの話し方、仕草、表情、思考&行動パターン、すべて覚えている。 少し……いや、かなり照れるが、これで隠し通せるはずだ。 俺の豹変に、白雪はポカンと口を開けて黙っていた。 無理もねぇ。 俺らのまわりにいないタイプだ(ジャッキーは中身はオタだが表面には出さねぇし)、圧倒されたんだろう。
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