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白雪のマザコンスイッチが激しくオンだ。
母親自慢が止まらねぇ。
やれ優しいだ、やれ美人だ、やれ薬物のエキスパートだ、この100年、ずっと聞かされてきてるしよ、どの順番で自慢するかも完璧に覚えてる。
白雪よ、それぜんぶ知ってるからな。
やっぱり……もっとハッキリ言わねぇと駄目だ。
俺の気持ち、白雪以外はみんな知ってる。
8年前、あのジャッキーでさえ、すぐ気付いたってのによ。
なんでお前は気付かねぇんだろな。
白雪は驚くくらいに素直で純粋、そのせいもあんのかな?
白雪の鈍感は100年ずっと変わらない。
もしかしたらこれから先も、この調子かもしれねぇや。
……
…………
………………
何度も思ったさ。
ちゃんとハッキリ好きだと言おうと。
でもよ、それで振られたらよ、もう会えなくなるかも、顔が視れなくなるかも……って、ガラにもなく怖くなったんだ。
それで言えなくなっちまった。
それから揺れた。
もう ”親友” のままでいいだろと思える日もあれば、気持ちを伝えて好き同士になりてぇと思う日もあった。
毎日毎日……いや、毎時毎時変わるんだ。
だから会うたび遠回しによ、好きだと気持ちを匂わせて、あわよくば気付いてくれねぇかなって……チッ、思い起こせば情けねぇ話だわ。
今夜も揺れてる。
さっきまでは気持ちを探るだけでいいと思ってたのに。
ウッカリ白雪に ”好きなパンダはいるのか” と聞いちまって、『バラカスよ』なんて言われたら、そういう意味じゃないのは分かっちゃいるけど欲が出たんだ。
揺れが激しくなる、好きだと気持ちを伝えたくなっちまう。
鈍感な白雪はこれから先も変わらねぇ。
白雪が変わらないなら、俺が変わるしかねぇよな。
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