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……
…………こうなったら、
俺はバネのように跳ね立って、
『白雪女史! ちょっとだけココで待っていてほしいのであります! 5分、いや、1分で戻りますゆえ!』
言い残して駆け出した。
後ろから『どうしたの!? 何があったの!?』と白雪の声が聞こえるが、構わずひたすら走ったんだ。
『ハァ……ハァ……ここまで来れば大丈夫だろ』
ヒト型は走りにくいったらない。
大草原はどこまでいっても夜光花が広がって、俺は振り向き、白雪の姿が視えないのを確認すると急いで爪を鳴らした。
パチン!
ぼわん!
再構築の解除だ。
一瞬で俺の姿がパンダに戻る、と同時に間髪入れずに白雪の元へと走った。
ドドドドドドドドドドドドドドッ!!
巨大パンダは一歩がデカイ。
あっという間に白雪の前に戻って来れた。
『バ、バラカス!? え!? どうしてココに? ソレガシーさんは?』
白雪は目を白黒させていた。
驚くのも無理はねぇや。
すぐに戻る、そう言ったソレガシーの代わりにバラカスが来たんだからよ。
『ソレガシーは帰った。そんなコトより白雪、俺はおまえに話がある』
クソ……!
心臓が絞られる、バクバクいってる。
姿をパンダに戻しただけで、緊張度は100割増しだ。
『話? なぁに、……もしかして、バラカスの恋のお話かしら……?』
白雪は上目遣いに無邪気に言った。
なんならキューピットになる気満々なんだろう。
気持ちはありがてぇがそりゃ無理だ。
俺はグッと拳を握り、腹にチカラを込めた。
今夜は引かねぇ、なにがあっても絶対引かねぇ。
『ああ、そうだ。俺の好きな女の話だ』
『やっぱり! あのね、ソレガシーさんから聞いたの。知らなかったわ、バラカスが恋をしているなんて。言ってくれたら良かったのに。私、ぜんぶ聞くわ』
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