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そんなコトがあっての今だ。
マジョリカは、本来の目的を思い出したんだろ。
白雪がいなくなり俺に向くと、ぷくーっと頬を膨らまし、
『そうだ! バラカス、約束忘れちゃったの? ウチの翻訳ペンダント、調子悪いって言ったら直してくれるって言ったじゃない! 先週、現世に行った時にジャッキーと大倉と話が出来なくて大変だったんだからね!』
とプンプンだ。
あぁ、そういやそんなコト言ってたな。
でもよ、今日来るって言ってたか?
しかもこんな早朝に。
『んもー! いつでも良いって言ってたから来たんだよー! ……でもいい、許してあげます。ね、ね、ね! それよりさ、白雪ちゃんとなにかあった? そりゃあ、2人が一緒にいるのは珍しくないけど、なんか今日は雰囲気がチガウよ。……あ、もしかして……もしかしてー! バラカス、白雪ちゃんに好きって言ったの? ……あ……その顔……言ったんだ! そうなんでしょ! きゃーーーー! くわしくはなしてーーーー!』
白雪とはまた別の意味で、目をキラキラさせるマジョリカは、話すまで放さないと、俺の霊体によじ登って肩に座り、毛皮を両手で鷲掴む……で、耳元でデカイ声での尋問だ。
『おい、もうちっと小せぇ声で話せ。ウルサイったらねぇや』
文句をつけるとマジョリカは、俺の毛皮をグイグイ引っ張り言い返す。
『そんなコト言ってごまかすなー! 白雪ちゃんがなんて答えたか教えてくれるまで、ウチ、ずっと肩で大きな声出すからね!』
『そりゃあ困ったな。でもいいのか? ずっと肩にいたら仕事にも現世にも行けなくなるぞ?』
『え……それは困る……じゃあ、ウチが困らないように早く教えてよ。バラカス、ウチが困るのイヤでしょ?』
『ケケケ! なんだその理屈はよ。ま、確かにマジョリカが困るのはイヤだがな』
俺はマジョリカも大好きだ。
可愛くて素直で泣き虫の17才、本当の娘のように思ってる。
マジョリカが困るコトはしたくねぇ。
けどよ、昨日の事を話すのはガラにもなく恥ずかしい。
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