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ゴロンゴロンゴロン、ゴロゴロゴロゴローーーーー……ゴチンッ!
えぇっ!?
目の前で転がるパンダは勢いがついちゃって、そのまま横に更に転がり、部屋の端っこ、壁にぶつかり動きを止めた。
『バラカス!』
急いで駆け寄ると、バラカスはオシリをつけて芝生に座り、イテテなんて言いながら尻尾の付け根をさすっていた。
『もーなにやってるのー! 嬉しいのは分かるけどはしゃぎすぎだよ、……大丈夫? 壁、』
大きな霊体をすり抜けて、ウチは壁が壊れてないかをチェックする……と、バラカスは不満げに文句を言った。
『薄情な娘だな。オヤジよりも壁の心配か?』
『だってぇ、ウチらが怪我したってオートリカバーがあるけどさ、壁は自動修復されないもん』
『……ま、そうだけどよ。ココは『パパー! ダイジョウブー?』って抱き着くのが正解だろ』
『…………ん、そうなの? じゃあ、パパー!』
『”じゃあ”は余計だ』
あははは、冗談を言い合って、目を合わせて笑い合って、それで、そのあと、少しだけ沈黙して____
バラカスは床に座り込んだまま、『はー』とため息をついていた。
ため息と言ったって、漏らす声は明らかに幸せで、ウチは……ウチも、幸せだ。
それにしても……あはは、相変わらず大きな背中だ。
バラカスは芝生の上でだらんと座って、毛皮の白は未だに薄赤。
後ろから、その毛皮にさわってみると、ふわっふわのほっこほこのホッカホカ。
ああ、この感触。
ずっと変わらないんだな。
ウチが死んで黄泉に来て、無気力で何も出来なかったあの頃から、ずっと一緒にいてくれる……大好きなバラカス。
『パパ、良かったね』
両手を広げて大きな背中に抱き着いた。
バラカスは『あぁ?』なんてそっけないけど照れてるのはバレバレだ。
パパが幸せだと娘も幸せだよ。
しかも、恋の相手が大好きな白雪ちゃんだなんて、こんなに嬉しいコトってある?
『マジョリカ、』
バラカスがウチを呼んだ。
前を向いたまま振り向きもしないまま。
ウチは毛皮に顔を埋め『んー?』とだけ答えた。
『心配かけたな』
『ううん、』
『アリガトな』
『ううん。ウチ、これから2人のジャマしないようにしなくちゃ』
『パン? ナニ言ってんだ。お前がジャマな訳ねぇだろ。今まで通り好きな時に来りゃあいい。白雪もその方が喜ぶ』
『ん、アリガト……あー嬉しいなぁ! やっと両想いになれたんだもん! そうだ! お祝いしようよ! みんなで集まってさ!』
『バカ言うな! そんなのしなくていい! 恥ずかしいわ、』
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