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パタパタパタパタ、冷めない熱に両手をパタパタ。
白雪ちゃんは子供みたいな顔をして、恥ずかしそうにこう聞いた。
『マーちゃんは……その、バラカスの気持ちを知っていたの?』
弱気すぎる上目遣い、ウチは口元が緩むのを必死に我慢した。
『んー……ん。知ってた』
『やっぱり……それで、その、……とある霊に聞いたんだけど……バラカスの気持ち、マーちゃんだけじゃなくて、他のみんなも知ってたって……本当?』
”とある霊” ……これはきっと ”ソレガシー” のコトを言ってるんだ。
バラカスから聞いた話と一致するもん。
これは慎重にいかなくちゃ。
『うん、みんな知ってる。あ、でも誤解しないでね。バラカスが自分から言ったんじゃないの。バラカス自身も隠しておきたかったみたいなんだけど……ほら、分かりやすいパンダだから、みんな気付いちゃったんだ』
ウチがそう答えると、白雪ちゃんのほっぺはますます赤くなった。
それで、テーブルのワイングラスを手に持つと、ゴクッと一口流し込み、そのあと少し考えて、こう言ったんだ。
『や、やっぱりそうだったのね……わ、私、恥ずかしいわ。1人だけ知らなかっただなんて。みんなが気が付ける事を気付けない……私、恋愛に関してダメすぎるわ……ああ、こんな調子で大丈夫かしら……バラカスと付き合って、かえって迷惑をかけないかしら……?』
あ、これ良くないな。
白雪ちゃんは根が真面目過ぎるんだ。
そうじゃないよ、違うの。
これはハッキリ言わなくちゃダメだ。
『白雪ちゃん、よく聞いて。あのね、迷惑になるなんて思わなくていいんだよ。バラカス、白雪ちゃんになら何をされても喜ぶと思う。だってバラカスは本当に本当に白雪ちゃんが大好きなんだもん。恋愛にルールはないし、デートも好きなコトをすればいいの。街を歩いてもいいし、草原でぼーっとしてもいい……それこそバラカスを筋トレに付き合わせたっていいんだから。愛情って不思議だよね。好きな相手と一緒なら、どこにいても、何をしても楽しくて幸せに感じちゃうんだもの』
思わず力が入っちゃう。
分かってあげて。
たとえ迷惑をかけたとしても、バラカスなら喜んで受け止めるよ。
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