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ふとよぎったバラカスの残念会、ウチはそれを頭を振って追い出した。
ダメダメ、弱気になってどうするの。
ウチは2人を応援したい、だからココにいる、だから頑張る……でしょ?
バラカスがついたウソは2つ。
禁止されてる自分自身の再構築と ”ソレガシー” の正体だ。
確かに、褒められたコトじゃないけれど、ウチから視れば呆れはするけど怒る程のウソじゃない。
みんなと少し毛色が違う、ワルイコトも多少だったら平気でしちゃうバラカスだもの。
再構築の一つや二つ、したとしても不思議じゃない(ルール的にはダメだけど)。
それにね、再構築に関しては言い訳の余地があるよ。
バラカスはバンブー星のパンダ族。
あのビジュアルは、長年視慣れたウチでさえ、カワイイ……! って思ちゃう。
バラカスが外を歩いて霊目につけけば、アイドル並みに騒がれる、きゃーきゃー言われて囲まれる。
そういうのもたまにならいいけどさ、毎回じゃあ大変だ。
疲れちゃうし落ち着かない。
騒がれたくない日もあるだろう、その願いを叶える為に再構築が必要だった……うん、これを言えば、白雪ちゃんなら分かってくれるよ。
たぶんきっと、叱りはするけど許してくれる……はず。
そうなると問題は、再構築より ”ソレガシー” の方だろうなぁ。
好きの気持ちに気付いてくれない白雪ちゃん。
バラカス選手の片想いは100年という長い月日を記録した、……って、100年はいくらなんでも長いよ。
そんなバラカスに突然、気持ちを聞き出すチャンスが訪れたんだ。
そりゃあ、聞くよね。
ウチがもしバラカスの立場だったら。
ん……なんだかんだで同じ事をしちゃうかも。
……
…………
これ、白雪ちゃんならどうかな?
白雪ちゃんならどうするかな?
それによって……バラカスのウソが許せるかどうかが決まる気がする。
『マーちゃん、難しい顔してどうしたの?』
飲みかけのワインを置いた白雪ちゃんは心配そうにウチを視た。
『あ、ごめん、ちょっと考え事してたの』
なんて言おう、なんて切り出そう。
白雪ちゃんの話を聞いた後じゃあ、どんな言葉も薄く感じる。
なんて言うのがベストかな。
『考え事? それは……なにか悩み事? 珍しいわ、マーちゃんの眉間にシワが寄るなんて』
『あ……うん、悩みではないんだけど、えっとね』
『なに? 気になる事があるなら聞くわ。なんでも話してちょうだい』
そう____力強く言う白雪ちゃんの目は澄みきっていた。
綺麗な目で真っすぐウチを視ているんだ。
ねぇ、バラカス。
バラカスは素敵な霊に恋をしたんだね。
白雪ちゃんは真面目で、優しくて、いつだって全力だもの。
ねぇ、バラカス。
ウチやっとわかったよ、白雪ちゃんになんて切り出したらいいのかが。
せっかくバラカスと作戦を練ったけど、あれじゃあダメだ。
白雪ちゃんには真っすぐだもの。
だからウチも真っすぐ切り出した方が良いと思うんだ。
深呼吸を一つ……手に汗が滲んできた。
でも、ウチは言う。
『あのね、ウチ、話したい事があるの。とっても大事な事よ。昨日、白雪ちゃんは ”ソレガシー” という霊に会ったでしょう? その霊ね、…………バラカスなのよ』
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