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『白雪ちゃん……! 待って、バラカスがルール違反をしたのは悪い事だと思うよ。でも、でもね、』
必死になった。
バラカスを庇いたくて仕方がなかった。
だからウチは、ありったけの言い訳をしたの。
パンダの視た目のバラカスは、外に出るたび囲まれる。
きゃーきゃー言われて騒がれるんだ。
毎回だよ?
大変だと思うでしょ?
だから、
『だから、バラカスにとって再構築は必要なスキルだったんだよ』
声を大に、白雪ちゃんに訴えた。
けれど、
『そうね、その気持ちが分からない訳ではないわ。でも、それとルール違反をする事を結び付けたらいけないと思うの。それとこれは別問題。再構築を望む誰もが1か月も待つのは嫌でしょう。それでも、みんなはその手順を踏んでるの。バラカスだけを特別扱いしては駄目、公平でないもの』
頑として聞いてくれない。
8年前と同じだ……生き返ったジャッキを現世に還す、そう引かなかったあの時と。
白雪ちゃんは何処までも真面目な霊で、それが正しくもありもどかしくもある。
『ああ……待って。再構築の話はごめんだけど、一旦保留にして。あとでバラカスに説教しよう。ルール違反のバラカスは、それこそルールに乗っ取ってペナルティを受けるべきでしょ? 確か再構築を勝手にした霊は、3年以内のボランティア活動を課せられる、それで____』
息継ぎも忘れるくらい。
必死になって言い訳をした。
ペナルティは受ける、だから許してあげてほしい。
そう言いたかった。
白雪ちゃんは、黙って聞いてくれていた……けど、ウチの話が途切れると、繋げるように言ったんだ。
『……そうね、再構築に関しては、あとでバラカスを叱りましょう。そしてペナルティを受けてもらいましょう。その事、マーちゃんから話してくれる?』
『え……? うん、話すのは構わないよ。でも……白雪ちゃんから話した方が、バラカス、すっごい反省すると思うけど……』
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