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ガツッ!!
低く鈍い音と共にラスボスがぐらりと揺れた。
山の怪物。
樹齢五百年は下るまい大樹がゆっくりと倒れるように、ジジィ界のマッスルレジェンドが土煙を立てながら大地と接吻した。
続けて中年界のマッスルレジェンドも、その隣に倒れ込む。
ハァハァハァ……
荒い息が重なる。
社長が仰向けに倒れながら、鼻の穴を片方ずづ押さえ鼻血を勢いよく放出させた。
ピッと飛んだ血液がお父さんの木の皮のような頬にペッとつく。
え……?
社長、もしかしてわざとですか……?
『おぃっ! 汚ぇぞ小僧! テメェの鼻クソまで飛んでくらぁ!』
「うっせーぞ! 爺さん! 小せぇ事でグダグダ言うなや!」
『かーーっ! まったくもって口が減らねぇ!』
「お互い様だコノヤロー!」
『…………』
「…………」
『時に小僧、テメェなんて名だ?』
「あぁ? 誠だ、清水誠。どこどう見たって25才にしか見えねぇだろうが、今34だ」
『はっ! 野郎のクセに年サバ読んでやがったのか』
「ちげーよ! それは爺さんが勝手に勘違いしただけだろ! んな事より爺さんの名前は? 人に名乗らせてテメェはバックレとかなしだかんな」
「俺か? 俺もマコトだ。藤田真、どこどう見たって50代にしか見えねぇだろうが、今70だ」
「ぶっ! フジタマコトって必殺かよ!?」
『古いな、純情派でもいいんだぜ?』
「それだって充分古いっつの」
フフフ……
フハハハ……
フハハハハハハハハハハハ!!!
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