第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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◆ その後____頼んだ料理が運ばれてきた。 ウエイターの菅野さんは部屋に入ると『お待たせしましたー!』を、やっぱり3度繰り返し、元気な声はウチらの会話を中断させた。 菅野さんはにこやかにテキパキと。 何もなかったテーブルにはご馳走が並べられ、それを視た白雪ちゃんは不自然なくらいはしゃぎだした。 ____さぁ、この話はおしまい! ____私、お腹が空いちゃったわ! ____いただきましょう! ウチは……味なんて分からなかった。 夢のような一皿なのに、ただただ口に運んで飲み込むだけ。 白雪ちゃんは今日あった出来事を、面白おかしく話すのだけど、ウチは曖昧に頷く事しか出来なかった。 食事が終わってケーキを食べて、…………でも、残してしまった。 ホールといえどもそんなには大きくない。 いつもならこのくらい、2人でペロリと食べてしまう。 ”おいしいねぇ” と言い合って、それから、"ウチら死者で良かったね、どんなに食べても太らないもの” と笑い合う。 なのに今夜は食べきれなかった。 2人とも、途中でフォークを置いてしまった。 沈黙が流れた。 いたたまれない空気の中で、ウチは俯き、はしゃいでた白雪ちゃんも俯いた。 お互いなんにも言えないままで、時間だけが過ぎていく。 その沈黙を先に破ったのは白雪ちゃんだった。 小さく息を吸い込んで、そのまま空気を吐き出すついで、……そう、まさにそんな感じに言ったんだ。 ____マーちゃん、今夜は帰りましょう、 って。 ウチは……従うしかなかったよ。 だって白雪ちゃんの顔、すごくすごく疲れてるんだもの。
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