第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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うぅ……クラクラするよ。 バラカスは言葉に詰まって黙っちゃうし、なのに大倉は【なに? どした?】とお気楽で、温度差が激しすぎる。 タイミングが悪いな…… 大倉が言った事、告白前なら(もしくはうまくいってれば)何の問題もない。 だけど今は……はっきり言って問題だらけだ。 ウチは、黙るパンダをチラリと視たの。 背中を丸めて俯き気味で、さっきまでの楽しい空気が消えてしまって、代わり、なんとも言えない重たい空気を漂わせていた。 あまりにもタイムリー、バラカスには地雷すぎ……これ、良くないな。 うまくフォローしたいけど、どうして良いか分からなくって、ウチがオロオロしていると…… 【バラカス、ちょっといいかな?】 ジャッキが声を上げた。 『……ああ、なんだ?』 バラカスも応える。 【ん……、前にバラカスは言ったよな、自分はバラカスの息子だって】 『あぁ? なんだよいきなり。そうだ、マジョリカは俺の娘だからよ。そのマジョリカと結婚したなら、お前は息子だし、弥生は2人目の娘だ。当たり前だろ』 【ははは、嬉しいねぇ。黄泉と現世で離れていても、自分達はファミリーだ。ファミリーだから前置きは一切カットで聞くけどさ。バラカス、白雪ちゃんに想いを伝えたんだろ】 え……!? なんで分かったの……? 大倉に言われてバラカスは俯いた、でも、現世からは視えないはずでしょう? これにはバラカスもアワアワで、 『な、な、な、なんで分かった!? 俺、なんにも言ってねぇだろっ!!』 バラカスは立ち上がって上を向き、そこにジャッキはいないのに、大声上げての動揺しまくり。 で、ここからウチらは大騒ぎになった。 ・1ターン目 ジャ→【いや、そりゃワカルだろ。弥生に "YOU、告っちゃいなYO!" って言われたすぐあと黙り込めばさぁ、さすがに、これはって思うって。いつものバラカスとまるで様子が違っていたし、声しか聞こえないからかえってそれが伝わった。丸分かりだよ。むしろ問いたい、バレてないと思う根拠を】 弥生→【えー! そーなのかー!? アタシぜんぜんわかんなかったー! バラカスやっるじゃーん!!】 ウチ→【わわわ! ジャッキ、探偵さんみたい! 大倉はやっぱし分かってなかった!】 バラ→【オイ、ジャッキー! ”さすがに……” じゃねぇよ! ファミリーだろうが前置きくらいしろ! デリケートな話だぜ? いきなりバレててびっくりすんじゃねぇか! あーーーー! 俺の息子はデリカシーがねぇなコノヤロー!】
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