2365人が本棚に入れています
本棚に追加
/2550ページ
うぅ……クラクラするよ。
バラカスは言葉に詰まって黙っちゃうし、なのに大倉は【なに? どした?】とお気楽で、温度差が激しすぎる。
タイミングが悪いな……
大倉が言った事、告白前なら(もしくはうまくいってれば)何の問題もない。
だけど今は……はっきり言って問題だらけだ。
ウチは、黙るパンダをチラリと視たの。
背中を丸めて俯き気味で、さっきまでの楽しい空気が消えてしまって、代わり、なんとも言えない重たい空気を漂わせていた。
あまりにもタイムリー、バラカスには地雷すぎ……これ、良くないな。
うまくフォローしたいけど、どうして良いか分からなくって、ウチがオロオロしていると……
【バラカス、ちょっといいかな?】
ジャッキが声を上げた。
『……ああ、なんだ?』
バラカスも応える。
【ん……、前にバラカスは言ったよな、自分はバラカスの息子だって】
『あぁ? なんだよいきなり。そうだ、マジョリカは俺の娘だからよ。そのマジョリカと結婚したなら、お前は息子だし、弥生は2人目の娘だ。当たり前だろ』
【ははは、嬉しいねぇ。黄泉と現世で離れていても、自分達はファミリーだ。ファミリーだから前置きは一切カットで聞くけどさ。バラカス、白雪ちゃんに想いを伝えたんだろ】
え……!?
なんで分かったの……?
大倉に言われてバラカスは俯いた、でも、現世からは視えないはずでしょう?
これにはバラカスもアワアワで、
『な、な、な、なんで分かった!? 俺、なんにも言ってねぇだろっ!!』
バラカスは立ち上がって上を向き、そこにジャッキはいないのに、大声上げての動揺しまくり。
で、ここからウチらは大騒ぎになった。
・1ターン目
ジャ→【いや、そりゃワカルだろ。弥生に "YOU、告っちゃいなYO!" って言われたすぐあと黙り込めばさぁ、さすがに、これはって思うって。いつものバラカスとまるで様子が違っていたし、声しか聞こえないからかえってそれが伝わった。丸分かりだよ。むしろ問いたい、バレてないと思う根拠を】
弥生→【えー! そーなのかー!? アタシぜんぜんわかんなかったー! バラカスやっるじゃーん!!】
ウチ→【わわわ! ジャッキ、探偵さんみたい! 大倉はやっぱし分かってなかった!】
バラ→【オイ、ジャッキー! ”さすがに……” じゃねぇよ! ファミリーだろうが前置きくらいしろ! デリケートな話だぜ? いきなりバレててびっくりすんじゃねぇか! あーーーー! 俺の息子はデリカシーがねぇなコノヤロー!】
最初のコメントを投稿しよう!