第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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【バラカス……やっちまったな】 うっ! いきなり?  た、確かにやっちゃったけど、さっきからぜんぜん包んでない! もうちょっと包んであげても……いいんじゃないかな、ああ……ハラハラする。 『あ、ああ、やっちまった。……で、でも、いいんだ。ずっと片想いでよ、やっと気持ちを伝えるコトが出来たんだ。しかも、一瞬だったが付き合うコトにもなった。夢みてぇな話だよ。あっという間にダメになったが、明日からまた元に戻るだけ。俺達は親友なんだ。フラれたって、明日になったらシレっと会うさ』 あ……あぅ……ごめんね、バラカス、ウチ、まだ言ってないコトがあってね……きっと明日になっても白雪ちゃんには会えないの、ああ、どうしよう……お、大倉……あと、頼むよ……!(出来ればマイルドに) 【ふぅん、親友ねぇ】 『そうだ、なんたって100年の付き合いだ。それによ、昨日俺は言ったんだ。たとえ2人がダメになっても、白雪が嫌じゃなければ、今まで通り毎日だって会うってよ。だから……ケケケ……そう、元に戻るだけだ、はぁぁぁぁ、』 【ふぅん、ふぅん、ふぅぅぅん。バラカス、アンタって頭が良いと聞いていたけど、まるで分かっちゃないんだな】 『……な……なに? ど、どういう意味だ? 違うのか? 含むなよ、ハッキリ言えよ』 【あーうん、嫌だと言っても話すつもりだよ。まずな、白雪はもうバラカスと会ってくれないと思うぞ】 『パ、パンッ!? な、なんでだ、なんでそう思う、そ、そんなコトねぇよ、だって俺らは親友だからよ、』 【んーだってさぁ、よく考えてみろよ。白雪ってデカイ組織の頭やってんだろ? しかも生きてた頃は一国の女王様だって言うじゃんか。そういうヒトが筋を通さないヤツを許せると思うか? 普通のヒト以上にこだわりがあると思うけど。しかもだ、告白されて、これから付き合うカレシがさ、テメェの不始末、ビビッてチキンで代わりに娘をよこしたとなっちゃガッカリすんだろ。さらにだ、その娘、マジョリカは白雪にとって親友だ。きっと怒りも倍増だろな。ま、アタシが白雪の立場だったらブチギレるね』 『パ、パン………………うぅ……(ドシャッ!)』 あ、あーーーーっ! バラカスがダウンしたーーーーっ! んもー! 大倉っ! いくら本当の事だからって言いすぎだよーっ!
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