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白雪ちゃんの悲しい声が、頭の中で繰り返される。
あぁ……鼻の奥が痛むよ、視界が歪んで白黒パンダの大きな背中が滲んで視える。
お願い、バラカス……辛いだろうけど焦るだろうけど頑張って、挫けないで、このままじゃバラカスだけじゃない、白雪ちゃんも辛いよ。
……
…………
流れる沈黙が長い。
ウチは2人に視つからないよう、音を立てずにそっとその場にしゃがみ込む。
バラカスの足の間の隙間から、白雪ちゃんの胸から下だけ視えていた。
『白雪……悪かった。今更よ、何を言っても言い訳になっちまうが、お前を悲しませたかった訳じゃねぇんだ』
そうだよ、バラカスは……ううん、ウチも間違えてしまったけど、白雪ちゃんを悲しませたいなんて絶対に思わない。
それは白雪ちゃんも分かってるとは思うけど……
『そう、』
白雪ちゃんは短く答えただけ、空気が……重い。
『本当に悪かったよ。潜りの再構築でヒトに化けた事も、ソレガシーと名乗ってお前を騙した事も、それから……その事をちゃんと言って謝ろうと思っていたのに、ビビっちまって先にマジョリカに頼んじまった事も。もちろん、あとで俺から話すつもりでいたがよ、でも、そんなの卑怯だったよな。すまん』
あ……頭を下げた。
付き合いは長いけど、こんなに真面目にあやまるバラカスを初めて視たよ。
白雪ちゃんは、小さくため息をついた。
そして、
『…………そうね、再構築の事もソレガシーさんの事も、最初からバラカスの口で言ってほしかったわ。……私は、恋愛の仕方がよく分からない。だから本当は、このくらいの事で怒るなんて狭量なのかもしれない。他の霊なら笑って終わる事なのかもしれない。でも私は無理なの。だって……だって、恋愛は分からないけど、分からないなりに……バラカス、あなたの事を好きになりたいって思ったんだもの、』
声が震えてる、白雪ちゃん、泣いちゃうかもしれないよ、ああどうしよう、どうしたらいいんだろう……、
『白雪、俺は……!』
『いいから聞いて、わ、私は、何かあったらバラカスにみんな話すつもりでいたわ、ううん、今までだってそう。私達は100年も親友で、なんでも話してきたじゃない。あなたは口が悪いけど、本当はとっても優しいパンダだわ。私は……【光道開通部】の長で、誰よりしっかりしなくちゃいけなくて、そういうのは生者の頃から慣れているけど、でも、たまには泣きたい時もあって、』
『……………………』
『そう……みんなの前では言えない弱音もバラカスだけには言えたのよ。この100年、何度も何度も助けられたわ、たくさん感謝して、一緒にいれば楽しくて……だからよ、急に……好きだと言われて驚いたけど、最初は信じられないと思ったけど……あなたが真剣だったから、嬉しいって思った、』
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