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白雪ちゃんの好きなモノといったらアレしかない。
そう、それは良質なたんぱく質!
____いい? マーちゃん覚えておいて、
____良いタンパク質は良い筋肉を造るのよ、
と、白雪ちゃんはいつだって力説するもん。
となると……ゆで卵、大豆、牛乳、オトウフ、それから、それから……ん、ちょっと待って……心配になってきたよ。
いくら白雪ちゃんの好きなモノでも、今この空気の中で ”良質なたんぱく質” は……ど、どうだろう。
白雪ちゃん、泣きそうなのにゆで卵食べてくれるかな?
い、いや……食べないよね……さすがに今は……
や、やっぱりチガウのにしよう。
食べる物以外がいいな。
となると…………ダンベル、アームバー、腹筋ローラー、ベンチプレス……ん? ん、ん? んんんー、やっぱりコレもダメじゃない?
筋トレグッズも白雪ちゃんの好きなモノ。
それは間違いないけどさ、今するコトじゃないよねぇ。
うぅ……どうしよ、これしかない! って思ってたのに。
それにそもそも、白雪ちゃんの好きなモノを用意したとして、どうやって持って行くかだ。
ウチら ”視守り隊” が大草原にいるのは内緒だもの。
もしいるのがバレてしまったら……きっと優しい2人の事だ。
怒ったりはしないだろうけど、気まずくなって、話の途中で ”もう帰る” となりかねない。
帰るだけならいいけれど、白雪ちゃんはそのまま会わなくなっちゃいそう。
ん……やっぱりダメ、絶対に視つかっちゃダメだ……!
【ねぇ、マジョ】
悩むウチをジャッキが呼んだ。
『ん? なに?』
【白雪ちゃんが和んでくれそうなモノは思いついた?】
『ん……まだ。ウチ、本当はいっぱい知ってるよ。その中でも筋トレ関係は絶対に喜んでくれると思うんだけど……今の状況には合わないなぁって、』
【そうか、悩むね。ん……それならさ、香りなんてどうかな? 白雪ちゃんが好きな香りを用意するんだ。それならマジョが直接持っていかなくていいし、リラックス効果もあると思うんだけど、どう?】
『香り……ジャッキ、それすごく良い考えだよ! ウチもね、仕事が終わって家に帰ったらアロマを焚いてるの。好きな香りは気持ちを癒してくれるよね、……うん、良いと思う! ウチ、さっそく用意するね!』
”がんばって” 、ジャッキと大倉に応援されて、ウチは小さく指を鳴らした。
香りと聞いてすぐに頭に浮かんだモノがある。
構築するのは、今黄泉の国で女の子に大人気の香り付きのシャボン玉だ。
シャボン玉なら離れた場所から吹けばいい、たくさん良い吹いて良い香りでいっぱいにするんだから。
ぽわんっ!
指を鳴らして一瞬後。
ウチの手にシャボン玉セットが現れた。
シャボンを吹いたら良い香り、割れて消えたらもっともっと良い香り。
それでいて視た目もすごくキレイなの。
香りの種類はとにかくいっぱい。
その数は数百とも数千とも言われてて、どんな香りも揃ってる。
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