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ウチはただただ固まった。
だってバラカスが消えたんだ。
ウチを隠してくれていた大きな背中がなくなって、視えなかった向こう側が視えている。
いなくなったパンダの代わり。
今、白雪ちゃんを抱きしめてるのは背の高い男の霊で、ガッシリとした筋肉体型、白いシャツに黒のパンツを履いている。
肩までの銀髪は真っすぐで、星の光が映り込んでいた。
だ、誰……?
バラカスはドコに行ったの?
白雪ちゃんは小さな悲鳴を上げたけど、それでも腕に抱かれたままだ。
おかしいよ、白雪ちゃんなら簡単に逃げられるはずだ。
なんで黙ってるの?
その霊はバラカスじゃな、………………ん……? あれ……?
なんか引っ掛かる、なんだろこの違和感は……んーんー…………あぁっ!
も、もしかして、バラカスなの!?
ウチは五度視した、何度も何度も視直した。
信じられない……何度視ても銀髪さんはヒト族で、パンダの面影は何一つ視あたらない。
でもそうだ、これ……バラカスが言ってた再構築だ。
自分の霊体を組み替えたんだ!
話では聞いたけど、ここまで変わるだなんて……ウチ、ビックリだよ。
だって霊体の大きさがぜんぜん違う、パンダの姿の半分以下になっちゃった。
半分以下……?
うわぁ! このままじゃ視つかっちゃうよ!
ウチは咄嗟に地面に伏せた。
うつ伏せに寝転がり、霊体を低く、頭も低く、…………あっ!
そうだ、髪!
ウチの髪は宇宙色、夜は特に目立つんだ、隠さなくっちゃ!
パチン!
なるべく小さく指を鳴らして、膝掛けを構築し、ぼふんとそのまま頭にかけた。
……
…………ん、だ、ダイジョウブかな?(ドキドキドキドキ)
ドキドキしながら指先で隙間を作る。
そっと前を視てみれば、ヒトになったバラカスがギューッと白雪ちゃんを抱きしめていて……ん、今のトコロ大丈夫っぽい。
んも……いきなりヒトになるなんて困るよぉ、ウチ、バラカスの背中に隠れてたのに、縮んじゃったら隠れるトコなくなっちゃうぅ。
と、とにかく落ち着こう。
大丈夫、膝掛け髪にかけてるし、まだ視つかってないし、しばらく大人しくしていよう、チャンスが来たら素早くぴゅーっと陣に行こう。
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