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え……!?
み、視つかった……!?
ど、ど、どうしよ……!(ドキドキドキドキドキ)
心臓がうるさいくらいドキドキいってる。
地面に霊体を伏せたまま、ウチは固まり動けないでいた。
な、なんで視つかっちゃったんだろ?
膝掛けかぶって髪を隠したのに、声だって出さなかったのに、忍者になって気配も消したつもりだったのに……!
動揺しちゃって起きるに起きれず。
膝掛けかぶって隠れたまんま、ウチがグズグズしていると……
『ね、ねぇ、やっぱりマーちゃんでしょ……? マーちゃんよね?』
またまた白雪ちゃんの声がしたの。
怒ってる感じじゃない、戸惑ってるけど優しい声だ。
けど出にくい、なのでダメ元で言ってみる。
『………………チ、チガウヨ、』(声色変えてみた)
どうかな、うまくすれば『やだ! 霊違いでしたか、ゴメンナサイ!』なんて言ってくれるかもって……淡い期待をしてたのに、
『ナニ言ってんだ。どこどう視たってマジョリカだろが』
呆れた声のバラカスが、あろうことかウチの膝掛けをめくったの!
『ひゃあ!』
ビックリしちゃってヘンな声が喉から飛び出て、ウチは慌てて起きて正座した。
と同時、ウチはカチンコチンと石化する。
だって……だってさ、目の前にはしゃがみこんだ白雪ちゃんとバラカスがいて、2人とも口を開けてウチを視てるんだもの。
『………………』←ウチ
『………………』←白雪ちゃん
『………………』←バラカス
しばし3人、交互に顔を視合わせる。
な、なにか言わなくちゃ。
出来れば、本当のコトは明日言いたい。
今夜はうまくごまかして、ウチだけオウチに帰りたい。
願わくば、ちゅーの続きをしてほしい。
『えっと……偶然だねぇ。あは、あははは』
我ながらワザとらしいとは思うけど、ん、言ってみた。
銀髪碧眼ヒト型、やたらとイケメンなバラカスは『はぁぁぁぁ』と呆れ、深いため息をつく。
パパ、ダメ。
ため息つくと幸せが逃げちゃうよ?
白雪ちゃんはそんなバラカスを視て、なにか少し考えて、それで、ウチにこう聞いてきたの。
『マーちゃんはどうして大草原に? なにか用事があって来たんでしょう?』
ドキ……!
よ、用事ね、うん、あったあった。
実はウチ、こっそり2人を視守りに来たんだよ、……とは言えない。
今夜はまだ内緒だもん。
どうしよ、なんて言ってごまかそう、んー、んー…………あっ!
『ウ、ウチ、 ”カタナの稽古” に来たの!』
パチン!
答えながら指を鳴らして練習用のカタナを出現させた。
それを手に持ち、もっともらしくポーズを取る。
『刀の稽古? マーちゃんが?』
『そうだよ。ウチ、大倉からカタナの使い方を習ってるんだ。現世に行って覚えたコト、たまに1人で復習してるの』
これはウソじゃない。
ウチ、本当にカタナを習ってるし、現世から帰ってきたら大草原とかオウチで復習してる(今夜は本当はチガウけど)。
『そう……知らなかったわ。教えてくれたら私も視てあげたのに』
白雪ちゃんは目を丸くしてウチを視る。
そう、ウチ、上手になるまで内緒にしようと思ってたんだ。
このコトはバラカスしか知らない。
『ごめんね、恥ずかしくて言えなかったんだ。でも視て! 最近少し上達したんだから。てやー!』
大倉から習った通り、ウチは練習用のカタナを振り上げた。
ダイジョウブ、危なくないよ。
だってコレ、新聞紙を丸めて造ったカタナだもん。
大倉との約束なんだ。
上手くなるまで本物は持たないって。
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