第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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◆ ~~マジョリカの気持ちと宇宙色の髪・マジョリカ視点~~ あれから……オウチに帰ったウチは、ジャッキと大倉の3人で祝杯をあげた。 それはとっても楽しいお酒で、おしゃべりしながら夜遅くまで起きてたの。 話題の中心は当然バラカスと白雪ちゃんのコトとなり、仲直りをした2人がすんごく甘々だったとか、ヒト型になったバラカスがイケメンだったとか、照れてしまう白雪ちゃんが可愛かったとか、上手く隠れてたのになんでか2人に視つかっちゃったとか、視つからなければ2人はちゅーしてたのにとか……いくら話しても足りないくらいで……それはウチが寝落ちするまで終わらなかった。 …… ………… ……………… ジョ……ジョリカ……マジョリ…… ん……? 誰かがウチを呼んでいる……でも眠い……昨日は遅かったんだ……もう少し寝かせてよ…… 『…………リカ……マジョリカ、』 何度も呼ばれて、肩をユサユサ揺さぶられ、ウチはしぶしぶ薄目を開けた。 『……んも、眠いのに…………えっ!?…………きゃーー! 誰ーー!? ……って、ん? んん? はぁぁぁぁ……なぁんだぁ、ビックリさせないでよね、知らない(ひと)がオウチに入ってきたのかと思ったじゃない』 ウチはブーブー言いながら、ベッドの上で霊体(からだ)を起こし、銀髪碧眼、ヒト型のバラカスに文句を言った。 『仕方ねぇだろ。呼び鈴鳴らしても起きてこねぇし、パンダの姿じゃ狭い部屋には入れねぇ。だからヒトに化けたんだ。……つーか、なんだこの部屋は。こんなに散らかして。昨日は一人で飲んでたのか?』 ベッドの近くのローテーブル。 その上には空いたグラスと食べかけのお菓子がいっぱいだ。 寝落ちしちゃって、昨日のままになっている。 『起きたら片付けようと思ってたんだ。その前にバラカスが来ちゃっただけ。昨日は寝るのが遅かったの。ジャッキと大倉と飲んでたからね』 言いながら、パチンパチンと指を鳴らしてグラスとお菓子を撤去する。 テーブルがあっという間にキレイになった。 『なるほどな、それでグッスリ寝てたのか。まぁいいや、とりあえず起きろ。それより……コレ、お前の忘れ物だろ?』 涼しい顔のバラカスは、コトッと音をさせながらテーブルの上に ”シャボン玉セット” を置いた。 え……!?  あれって昨日ウチが使ったシャボン玉?  ウソ! ウチ、持って帰ってこなかった? 大急ぎで記憶を辿ると、膝掛けをマントのかわりに羽織ったのは覚えてる。 だけど……シャボン玉セットの記憶はまるでない。 置いてったんだ……んでもって、コレをウチのだと知ってるってコトは、すなわち。 『あちゃー、バレちゃった』 えへっと肩をすくめると、 『バレバレだ。マジョリカだけじゃねぇ。ジャッキーも弥生もグルだろ』 バラカスはそう言って指を出すと、ウチのおでこをペシッとはじく。 『正解! でも、なんで分かったの? まぁ、バラカスにはバレちゃうかもって、ちょっとは思ったけどさ』 ベッドから身を乗り出してそう聞くと、バラカスパパはため息をつきながら話してくれた。
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