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不思議に思ってた。
物陰に隠れてたんじゃないけど、それでも地面に伏せてたんだ。
しかも、あの時2人はちゅー寸前。
ウチに気付くヨユーはないと踏んでたのにな。
『いや、あれは最初に白雪が気が付いたんだ。小せぇ声で『後ろ視て、なにかいる』って言われてよ。で、振り返ったらお前が地面に伏せていた。白雪はマジョリカだと分かって悲鳴を上げたが、俺は別の意味で驚いた。頭に布切れかけて、でも所々髪がはみ出てるからキラキラしてて隠れてねぇ。ウソだろ? って思ったわ』
バラカスは片眉をあげてニヤリと笑う。
ヒト型のその表情はパンダの時と全然違う。
『そうなの? 惜しい! 髪さえ出てなければ……!』
『惜しくねぇよ、笑わせるな。確かに布切れかけてたけどよ、ありゃあ頭隠して尻隠さずだ。おまけにずっと足をバタバタさせてりゃあ、誰でも気付くっつの』
もう片眉もクィっとあげたバラカスはすんごくニヤニヤ笑ってる。
な、なんかクヤシイぞ。
『ウチ……足、バタバタしてた?』
『してた。あれで隠れてたつもりか? ケケケ! なっちゃいねぇな! 』
とうとうバラカスが声を上げて笑い出す。
な、なんだかすんごくクヤシイぞっ!
『うぅ……うぅ……その勝ち誇った顔! パンダの時よりにくたらしー! もー! ウチだってね、バラカスがちゅーしようとしてなければバタバタしなかったんだからね! バラカスが! 白雪ちゃんに! ちゅーーーーーってー!』
悔しまぎれに反撃すれば、意外や意外。
バラカスは真っ赤な顔で慌ててる。
口をパクパク、顔の前で両手をブンブン振りながら、
『パン! いや! ちが!』
カタコトにも程があるよ、マルチリンガルが大崩壊だ。
昨日、
白雪ちゃんもこんな感じだったな。
甘すぎるバラカスに照れてしまってタイヘンだった。
黄泉で最強の白雪ちゃん。
その白雪ちゃんをタジタジにさせるバラカス。
そのバラカスをもっとタジタジにさせるウチ。
……
…………
もしかして、今この瞬間、黄泉の国で最強なのはウチなのでは……!
きゃー!
マジョリカ・ビアンコ最強伝説ぅっ!
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