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えっと、僕、今、すごく斬新な謝罪を受けてる?
でも……これでもすごく頑張って言葉を発してるんだろうな。
確かに強引に話に割り込んででも、先に田所さんの無事を伝えるべきだったんだ。
そうすれば、お父さんだってチェーンソーを出す事もなかっただろうし。
お父さんだけが悪いんじゃない。
僕が先に謝れば丸く収まるんだ。
よし……わかった。
ついこの間までは謝罪で給料をもらってた僕だ。
うっとりするよな「大変申し訳ございません」を聞かせてやる。
社内謝罪コンペ連続優勝の経歴を持つ元お客様センター主任、岡村英海の華麗なる謝罪を受けてみるがいいっ!
「お父さん、僕、」
と、最高のテンションで謝りかけたその時、突如僕の脳内に聞き慣れた声が響いた。
____あ、あ、テス、テス。こちら持丸。聞こえますか?私は今、再び岡村君の脳に直接話しかけています。業務連絡、業務連絡。岡村君と清水君は、旦那さんとお孫さんを連れて至急アパートに戻られたし。繰り返します。至急アパートに戻られたし、オーバー。
「気持ち悪っ!!」
2度目とはいえ、前触れなく突然脳内に入り込む老年の声は心臓に悪いし気持ち悪い。
ああ、だけど。
先代からの業務連絡の意味するもの、それってやっぱり、うん、きっとそういう事なんだろう。
家族が、家族が揃って再会できるんだ……!
思いがけず立ち会う事になりそうな状況に、僕の胸はこれ以上ないくらい高鳴っている……と、
『岡村ぁ……! オマエ俺の誠心誠意の謝罪が気持ち悪いだと? あぁ? いい度胸じゃねぇかぁ!』
あ、ヤバ。
悪いタイミングで業務連絡がかぶっちゃったな。
お父さん、めっちゃ怒ってるけど怯んでる場合じゃない。
「お父さん、すいません。気持ち悪いってのはお父さんの事じゃありません。本当です、謝ります。そんな事より行きましょう!」
気が急いてるせいか華麗なる謝罪とは程遠い、雑な"すいません"でお茶を濁す。
『あぁ? そんなふざけた言い訳……、チッ! 一応聞いてやる。どこに連れてく気だ?』
「僕の話を最後まで聞いてくれるんですね、ありがとうございます! 行先はアパートです。今、会社の上司から業務連絡がありました。お父さんとユリちゃんを連れて至急アパートに来るようにと。行きましょう、貴子さん達が待っています!」
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