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なんで、どうして、____さっきから同じ疑問の繰り返し。
頭の中は行ったり来たりで落ち着かない。
そんな中、とうとう大倉が倒れた。
満身創痍。
歩く事もままならない大倉は、ジャッキに身体を抱えられ、ウチの元へとやってきた。
そして、「ごめんね」って言ったんだ。
最初、意味が分からなかった。
なにがごめんなの? 謝るのはウチの方だよ。
大倉だけを戦わせ、ウチ1人が安全な所に隠れてた。
こんなになって、こんなにさせて、
本当に、本当にごめんね。
……
…………
………………ああ、もう限界だ。
泣いちゃダメと分かっているのに涙が溢れてとまらない。
大倉があまりにも弱ってる、あまりにも小さく視える。
それと……この子が言った「ごめん」の意味が分かってしまった。
きっと、ジャッキに抱えられてる事に対して謝ってるんだ。
ウチに気を遣ってるんだ。
こんな時に、そんな事考えなくていいのに。
もう守らなくていいよ、充分だよ、このままじゃ死んじゃうよ、そんなのやだよ。
これ以上は戦えない____
そう判断した大倉は、ウチをジャッキのオウチに逃がそうとした。
正直……迷った。
ウチがいても結局負担を増やすだけ。
だったら、大人しく離脱した方がいいのかな。
それとも、ここに残って出来る事をした方がいいのかな。
でも……”出来る事” ってなんだろう?
ウチには霊力もなければ腕力も無い……役立たずだ。
だけど……それでも……何か、何かあるはずんなんだ。
考えよう、時間がない、状況をよく視て、頭の中を整理して、急いで、……ああでも焦っちゃだめだ、焦れば間違う、失敗する…………でもね。
時間が無いその中で、ベストに近い策を練る。
ダイジョウブ、そういうのは慣れてるよ。
ウチは鍛えられたんだ。
光道でこの10年。
大倉弥生は”無茶ばかりを言う霊媒師” として有名だ。
誰も対処出来ない、出来るのはウチ1人。
この子の要求にずっと応えてきたんだもの。
怖いけど、自信はないけど……思い出せ!
思考を止めるな!
ウチに出来る事!
ウチにしか出来ない事を視つけだせ!
ジャッキと大倉、2人から話を聞き出しフル回転で考えた。
考えに考えて、その結論が……【闇の道】を呼ぶ事だった。
まさにあの時____
ジャッキのコトバを借りるなら、”運命の分岐点” だったのだと思う。
もし、別の選択をしていたら、ウチがオウチに戻っていたら。
大倉と家族になる事はなかっただろう。
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