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正直……痛いし苦しいよ、でも言わない。
こんな痛み、大倉に比べたら____
『ダイジョウブだよ、でもお願い! 早く来て!』
精一杯見栄を張って答えると、そこから大倉は早かった。
両手で鎖をしっかり掴むとあっという間に上まで登り、凄みの声で言ったんだ。
「マジョリカを離して、地獄逝きはアンタだけだよ」
この時、涙が一気に溢れ出た。
来てくれたのが嬉しくて、独りじゃないのが心強くて、感謝して、だけどその分辛くもなった。
違ったら良かった、ウチと大倉の好きな人。
ジャッキじゃなければ良かったのに。
『邪魔するなよぉぉぉ! 俺はタダで地獄にはいかないからなぁぁぁ! 道を呼んだこの女を許さないぃぃぃ! 一緒に連れて行くぅぅぅ! 邪魔するなら弥生も道連れだぁぁぁ!!』
絶叫は耳元で、その息はうんざりするほど生臭い。
悪霊はウチを決して離さなくって、胸の下に回る腕が一層強く締め上げた。
後ろを視れば【闇の道】までだいぶ距離が削れてしまった。
お願い……急いで大倉、
その大倉はカタナも出さず、眉間と鼻にシワを寄せ黙り込んでいた。
何か……迷ってるように視える、……どうしたの? 何かあったの? なんで攻撃しないの?
疑問に思って考えて、そして分かってしまった。
ウチのせいだ……ウチが悪霊に捕まってるから、斬る事が出来ないんだ。
それに気付いて血の気が引いた。
大倉……来てくれたのは良いけれど、これじゃあなんにも出来ないよ。
どうしよう……やっぱり駄目かも……このまま行ったらウチも大倉も助からない……どっちも……そう2人共だ。
もう一度後ろを視れば【闇の道】はゴボゴボと煮えたぎり、手招くようにマグマが踊る。
怖い、怖いよ……でも……でも……もし、本当に駄目だとしたら。
頑張っても助かる見込みがないのなら。
その時は____
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