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ふふ……ふふふふふ……大変だったなぁ。
あの日、なにが一番大変かって……ヤヨイが大泣きしたコトよりも、泣き止んだヤヨイがずーっとウチにくっついちゃって、抱っこのまんま寝ちゃったコトだよ。
まぁ、ヤヨイは子供だし。
前半すごい泣いてたから、泣き疲れもあっただろうけど、ぐっすり寝ちゃってゆすってもぜんぜん起きてくれないの。
大倉は「ごめんな、腕がしびれるだろ」って、ヤヨイを離そうとしてくれたけど、ちっちゃな手がぎゅっとウチをつかまえて、こんなの視たら、無理に離さなくていいよって、腕なんかしびれてもいいよって……なっちゃった!(幸せっ)
あー大変だった。
すんごく大変だった。
ヤヨイは寝ちゃうとクテッと重たくなっちゃうし、寝息が甘くてくすぐったいし、あーもーこーまーるーって…………うぅ、思い出したらヤヨイに会いたくなってきた。
あの子のコトバは ”声” じゃなくて ”文字” だから、ジャッキの通信では話が出来ない。
直接会わないとダメなんだ。
次の休みはいつだったっけ?
ヤヨイ会いたさ100%でスケジュールを確認しようとした時だった。
外から声が聞こえたの。
『マ、マーちゃーん、』
この声……白雪ちゃんだ!
え、どうしよう!
白雪ちゃんから来てくれた!
本当はウチから会いに行かなきゃダメなのに!
とにかく急いで出迎えなくちゃ!
『はーい! 待ってー、今ドア開けるー!』
ドタバタしながら玄関へ向かう……と、また白雪ちゃんの声がしたの。
『マ、マーちゃん! 大丈夫、急がないで! その……なんだったらこのままお話してもいいわ』
な……なんで?
部屋に来てくれないの?
白雪ちゃん……もしかして怒ってるのかな?
ウチが昨日、コッソリ2人を視守ってたから……うぅ……どうしよう、大好きな白雪ちゃんに嫌われたらウチ……ウチ……
『白雪ちゃーん! ウチをキライになっちゃヤダー!』
嫌われたらヤヨイみたいにひっくり返って泣いちゃうから……!
あわてちゃって足がもつれて、それでもなんとか玄関に辿り着く。
そしてこの後。
ウチはドアを開けたんだ。
開けてすぐの玄関前に白雪ちゃんは立っていた。
大好きな親友は怒ってなんかいなくって、ホッと胸を撫でおろす。
でも同時……ウチは固まったの。
ヤヨイみたいにお口ぱかーんになっちゃって、ただただ白雪ちゃんに釘付けになった。
だって……だってさ、白雪ちゃんの髪……!
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