第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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『それで、バラカスにはいつ視せるの?』 お茶のおかわりを淹れながら、白雪ちゃんにそう聞くと、 『今日中には……おそくても明日かな。で、でもね、いざ視せようと思うと緊張するの。だってなんだか恥ずかしいわ。ずっとショートだったんだもの。だからまず心の準備をしなくてはと思って、それで……マーちゃんのトコに来ちゃったの。マーちゃんと話せば落ち着くかなぁと思って』 アセアセしながら答えてくれた。 ココロを落ち着けたい、そう思ってウチの所に来てくれたんだ……なんだろ、かなり嬉しいぞ。 『そか、ウチ、白雪ちゃんが来てくれて嬉しいよ。少しは落ち着けたかなぁ?』 テーブルにお茶を置き、ついでに和菓子も並べてみる。 視た目が綺麗で甘さ控えめ、すんごく緑茶に合うの。 『わぁ、きれいなお菓子! マーちゃんありがとう。 それで……うん、マーちゃんの顔を視て、話を聞いてもらったらホッとしちゃった。それに……ふふふ、さっきたくさん笑ったでしょう? あれが良かったみたい、良い意味で力が抜けたわ』 和菓子を一口。 食べた白雪ちゃんは『なにかしら……この優しい甘さは』なんて溶けている。 良かった、この様子だと少しは落ち着いてくれたのかも。 『なんかごめんね、髪型ひとつで大騒ぎしちゃって……でもね、私にとって、髪を伸ばすってハードルが高かったのよ。最後に長かったのは生きていた頃で、それから300年以上も短かったから……今になって伸ばすのは勇気がいたわ』 『そうだよね、勇気がいるよね。……バラカス、本当に泣いちゃうかもな。白雪ちゃんの気持ちが嬉しいし、それに____』 ウチはテーブルを回り込み、膝歩きで白雪ちゃんに近付いた。 そしてキレイな髪をそっと撫でる……ああ、柔らかくてツヤツヤで、柑橘のいい匂いもする。 『それにとっても似合ってる。綺麗で上品で可愛らしいの。ふふふ……バラカスにはもったいないくらいだわ』 そう言うと、白雪ちゃんは真っ赤になって顔をぶんぶん振りだした。 『そ、そんなコトないの! も、も、もし、少しは似合ってるとしたら、それはタッキー店長が整えてくれたからよ。タッキーさんは美のプロだもの。どんな(ひと)でも素敵にしてくれる、彼の手は魔法の手だわ』
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