第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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「……ジナ……分かってるよ……ごめんね……みんなウチが悪いよ……」 声が中々でない、でも言わなくちゃ、今言わなくちゃと気持ちが焦る。 肺がズキズキ痛むけど、ウチは続けてこう言った。 「……知らないでごめんね……ウチ……ジーナを苦しめた……ウチのせいで……嫌な思いを……」 ここまで話した時だった。 ウチの言葉を遮るように、 「マージョーリーカー」 え……? ウチの名前を間延びで呼んたジーナ。 突然空気が変わった。 さっきまでの泣き顔が一変。 冷たい目をしてウチを見下ろし長いため息をついたんだ。 「はぁぁ…………マジョリカってすごいよね。こんな死にそうな時でさえ他人(・・)を気遣うんだから」 言い方に棘がある。 やけに”他人” を強調してる。 「腹立たないの? 私のせいでこんな事になったんだよ? もっとさ、文句言うとか責めるとか、普通ならあるでしょう?」 なにを……言ってるの? 混乱する、ジーナの態度が急に変わって頭が全然追いつかない。 「……ジ……ナ……どゆこと……?」 なんとか声を絞り出す。 あと何回声を出せるだろう? ジーナはさらにため息をついた、そして。 「もうヤダ。マジョリカには何もかも敵わないよ。見た目も性格も、ぜんぶ私の負け。こんな時くらい口汚く喚けばいいのに、そうもしないで私に謝るなんて……どこまで惨めにさせるのよ。……そう言うトコだよ、そういう所がたまらなく嫌だ。コンプレックスを刺激される、」
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