第六章 霊媒師OJT-2

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「神々しいっつーか、漫画に出てくるキャラっぽいよな。ユラーって光ってんの!」 「漫画のキャラ……? あーーー! 確かにっ! アニメとか、あとファンタジー映画とかの神々しい系のキャラっぽいかも! きゃー! すごい! 爺ちゃんが神々しく視えてきた。爺ちゃん、手をちょっと上げてみて、それで目を閉じて……そう! 大仏様みたいな感じになった! ねぇ、なんか徳の高そうなコト言ってみて!」 ブフォッ! ちょ、ユリちゃん、いま僕、鼻水出たわ! やめなさいって、そんな曖昧なお題、70代には(30代にも)無茶振りすぎるでしょうよっ! 「ははっ! ユリ、おまえ良いセンスしてんじゃねぇか! オイ、爺さん! カワイイ孫のお願いだ、聞いてやれよ! イカしたコト言えよな!」 出たー! 社長の悪ノリー! 急にそんなコト言われたって、すぐには思いつかないよ! まったくもう困らせちゃダメですって。 ね、お父さ、 『よし! まかせろ! 汝、右の頬を叩かれたら、左の頬をぶっ飛ばすがよい』 えぇぇーーーー! ナニそれーーー! 元ネタと違うじゃんかーーー! でも頑張ったな! お父さん孫命だな! オィィィ!! きゃっきゃとはしゃぐユリちゃんに、お父さんは顔面が融点に達した状態で、 『楽しいか? こんなんで良かったか? まだあるぞ、左のケツをぶっ叩け、左の……』 と、デレッデレだ。 大事な大事な孫娘の笑顔はなによりも代えがたいのだろう。 それゆえの行動に微塵の迷いも感じなかった。 愛はあらゆる不可能を可能にするのだ。
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