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『ジーナッ! ジーナ、ジーナ、ジーナーーッ!!』
声の限りに幼馴染の名前を呼んだ。
光る道から身を乗り出して、遠くなってくジーナの姿を泣きながら視続けたけど、あっという間に小さくなって、人の形が豆粒へと変わった直後、地上は雲に隠された。
ジーナ…………!
ああ……どうしよう、ジーナの事を考えると心臓が潰れてしまいそうだった。
肉の塊……あのヒトはジーナを乗っ取る気でいる。
そんな事、させたくないよ。
ジーナの身体はジーナのもので、ジーナの人生もジーナのものだもの。
勝手に奪って良いはずがない、許されるはずがない、なのに、あのヒトはそうしようとしてるんだ。
こしてる間にも、刻一刻と危機が迫る。
助けに行きたい、ジーナを守りたい……けど、それにはどうしたら良いんだろう。
光る道はいまだ速度を落とさずに、上へ上へと昇っていた。
改めて下を視れば、薄い雲の隙間から航空写真に似たものが視える……相当な高さだ、それでもやっぱり助けに行きたいよ。
うん……そうだ、戻ろう。
ならどうやって戻ろうか。
ここには当然、ハシゴもなければ階段もない。
地上に戻る手段がない。
となると、いっそのこと、道から地上に飛び降りようかと考えた。
単純すぎる案だけど、それくらいしか浮かばない。
怖いけど、足がすくんでしまうけど、きっと……大丈夫。
だってウチは幽霊だもの。
飛び降りたってこれ以上死にはしない。
よし……行こう。
覚悟を決めて、ウチは道のギリギリ端に立った。
あとは足を一歩、前に出すだけの単純な動作。
……
…………
………………
そう、それはとっても単純な動作なんだ。
それなのに、そのはずなのに、足がガタガタ震えてしまって、うまく足が動かせない。
『ああもう……! お願い、動いてよ』
両手で足を叩いてみても、まったく霊体は動いてくれなかった。
もう……どうして!?
ジーナを助けに行きたいのに、その気持ちは確かなのに……ウチは弱虫だ。
情けなくて涙が溢れて、その場にしゃがんだ、感情が昂って立っていられなかったんだ。
どのくらいそうしてたのか。
泣いて泣いて泣き疲れて、ようやく顔を上げた時。
ウチは思わず悲鳴を上げた。
だって……そこは……宇宙のど真ん中だったんだもの。
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