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飛び出た悲鳴を口ごと両手で覆って止めた。
そうしないとパニックになりそうで……ううん、違うか、ウチはもうパニックだ。
なにがどうしてどうなったらこうなるの?
どうしてウチは宇宙にいるの?
どうして宇宙で呼吸が出来るの?
どうして宇宙で重力が働いてるの?
どうして? なんで? ウチが幽霊だから?
幽霊なら訓練なしで宇宙に来れるの?
宇宙服も着ないで? 泥だらけの制服で?
なんで? どうして?
まさかこの宇宙が、……黄泉の国という所なの?
分からない、ぜんぜん分からない。
いろんな事がありすぎて、理解が全然追いつかない。
頭の中では次から次へと疑問が湧いて、なのに答えは視つからなくて、ジーナの事も心配で、それなのに何もかもが手に負えなくて、どうして良いか、どうするべきか、まずは何をしたらいいのか、そういうの全部、分からなくてもウチが決めなきゃ、考えて、決断して、行動に移すの、勇気を出して、ウチが、1人で、そういうのぜんぶ、ウチ独りで、たった独りで……ああ……………………そんなの……むりだよ、
『…………うぅ……うぅぅ……無理……こんな所で……何していいか……わかんないよ……も……無理……もお、わからないよぉ……』
限界だった。
ジーナの事、”あのヒト” の事、ウチが幽霊になった事。
いろんな事がいっぺんにありすぎて、あった直後は気が張り詰めて、だけど突然宇宙に独り、強すぎるストレスに頭も心も付いてこない。
それでもジーナを助けたいから、しっかりしなくちゃ、なんとかしなくちゃ、そればっかり思っていたら、糸がプッツリ切れてしまった。
もう限界です、もう駄目です、もう無理です、
ごめんなさい、本当にごめんなさい、
ジーナごめんね、助けに行きたい、償いたい、そう思うのにウチの心は折れてしまった。
心が折れて、ウチの胸には大きな穴がぽっかり開いた。
洞窟みたいなその穴は、いくら向こうを覗いてみてもウチの未来は映らない。
映るのは、宇宙に広がる瞬く星の数々で、それはとっても綺麗だけれど、ひどく冷たくよそよそしい。
そして、いつの間に止まったのか。
ウチを乗せる光る道は上昇が止まり、静かに、ただ真っすぐに伸びていた。
終点は分からないけど、星の海の遥か彼方遠くまで、小さくなって視えなくなるまで。
この時だった……突然、実感が沸いたんだ。
ウチ以外に誰もいない、冷たい宇宙に独りきり。
余計なものがないせいなのか、自分が死んだという自覚が怖いくらい湧き上がってきた。
もうパパとママに会えないんだ……お別れも言えてない。
2人共きっと泣いちゃうんだろうな、ごめんね、親不孝してごめんなさい。
ああ……それだけじゃないや。
行きたい大学があったのに、将来の夢もあったのに、いつか誰かと恋をして結婚だってしたかったのに、そういうの、ぜんぶ叶わなくなるんだ。
こんなことならもっと一生懸命生きれば良かったな。
ウチはまだ17才で、ウチにはこれからたくさんの時間があると思っていた。
だから、のんびりしてたんだ。
ジーナとおしゃべりして、他の友達とも遊んで、毎日のんきに過ごしてた。
時間はこうして、突然終わる事があるなんて想像すらしていなかった。
……
…………辛いよ、
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