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え……?
今、なんて言った?
守ってくれ?
ウチは耳を疑った。
いきなり何を言い出すの?
一体どういうつもりなの?
“あのヒト” にされた事、それを思えば疑問しか浮かばない。
何か裏があるんじゃないかと勘繰ってしまう。
そう思ったのは白雪さんも同じみたいで、眉を寄せて訝しげな顔をした。
【…………あなた、マジョリカさんもジーナさんも嫌いじゃなかったの? 守れだなんて、なぜそんな事を?】
すると “あのヒト” は、耳まで裂けた大きな口をこれでもかと歪ませて、
【ああ、嫌いだ。特にマジョリカは大嫌い。でもね、不思議なもので10年以上も憑りついてると変な情が沸くんだよ。今日でもうお別れかと思うと心配になったんだ。あたしが痛めつけるのは良い。でも、他の誰かが手を出すのは許せない】
こう言ったんだ。
白雪さんは呆れたような苦い顔、ウチもやっぱりおんなじだった。
【随分と勝手な事を言うのね。あなたのせいでマジョリカさんは死んでしまったというのに、】
更に苦味を増した顔で白雪さんが言った。
それに対し “あのヒト” は、
【ああそうだ、あたしのせいだ。マジョリカが死んだのも、ジーナがおかしくなったのも、みんなあたしのせいだ。仕方がないだろ、だってあたしは悪霊だから】
と……、
きっぱりとした声を上げた。
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