第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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ブンッ!! 低くて鈍い音。 モニターが消えた時にした音。 それが再び耳に聞こえて、だけどモニターは暗いまま。 その代わり、ウチの目に飛び込んできたのは…… 『マジョリカさん! ごめんね、遅くなっちゃった!』 ウチの新しい……友達の姿だった。 『ううん、ううん、遅くないよ、ウチずっと視てたもの、だからずっと一緒にいたみたいに感じたし、』 走り寄った。 顔を視たらなんだかすごく嬉しくて、なんだかとても近付きたくて。 『そう、1人で淋しくなかった? 怖くなかった?』 白雪さんは言いながら両手を広げ、まるでママみたいに、まるでパパみたいに、ウチをギュッと抱きしめた。 ああ……あったかいなぁ。 『淋しくなかったし怖くもなかったよ。あのね、白雪さん。ありがとう、アイツをやっつけてくれて、ジーナを助けてくれて。マザーさん、すごく優しそうな方だね。ジーナの事、マザーさんに頼んでくれてありがとう』 白雪さんにお礼を言って、顔を胸に押し付けた。 柑橘の良い匂いがするな、なんだか安心するな。 『ん、フェアリーゴッドマザーに任せておけば安心よ。彼女はとっても強くて優しいし、魔法使いとしてもすごい人なの。なにがあってもジーナさんを守ってくれる。これから先、幸せしかないわ』 ああ……そうか、白雪さんが言うなら間違いない。 ホッとした、これで、本当にもう大丈夫。 ん……ダイジョウブ……ホッとしたら、ひとつ思い出してしまった。 マザーさんの魔法、どうして視ちゃいけないのかな。 聞いてみようかな。
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